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〜物語の前に読者の方にお伝えすること
ご愛読ありがとうございます。
私、楽観的な脳みそから皆様に伝えたいことがあります。
もしかしたら(←大事)しばらく出せない期間が今後あるかもしれません。
しかし流石に作品を放っておくようなことはしませんので、更新が止まってても気長にお待ちください。
以上です。
それでは1章も終盤に踏み込む本編4話をお楽しみください。
歩いている途中、樹は気になっていたことを東屋に問いた。
「探偵同好会って昔からあるんですか…?同じ一年生が新しい同好会を作れるわけないとは思ってましたけど、警官の皆さんの反応的に少し前に活躍していたみたいな風に見えて…」
「正しくは姉の作った同好会だね。ジル・ド・レ事件っていうのが昔起きたんだけどそれを解決したのが姉たちだったの。だけど姉とは3才違い。」
「あ、なるほど。」
「うん、要は高校生じゃなくなったわけ。で、誰もいなくなって消えることになる同好会に無理を言って事前に学校に残してもらったの。」
自分のいる同好会の裏話を初めて聞いた。
テープをくぐり玄関を開けると目の前に赤い壁が広がった。
しかしその周りを見ると壁は白く、赤は飛び散った血液だとわかった。
ただでさえ悲惨な現場だがまだ変色していない深紅が残酷さを増加させる。
近くには何も落ちておらず何かすでに回収されたわけでもないらしい。
目の前で起こっていることに情報量が度々渋滞するが事件解決への道はまだ虚無。
「取り敢えず例の屋根裏に行ってみようか。」東屋は樹に話しかける。
「はい」とは答えたものの内心は「冗談じゃないぞ」と言うところであった。
犯人がもしかしたらいるかも知れないし、捜査中の警官の数は少ないというのにわざわざそこに行くなど飛んで火に入るなんとやらだ。
しかし止める暇もなくそのまま彼女は奥の部屋へと進んでいく。
慌ててついていくと屋根裏はすでに数人の警察官が調査していた。
「何者かが住んでた痕跡があるな…」
それは今一番聞きたくて聞きたくない言葉であった。
身の毛がよだつが確実に真相に近づいている。
その時あの強面の刑事がやってきた。
「どうだお前ら、なんか見つかったか?」
「見つかってはないけど容疑者候補はいるよ。」彼女はそう言うが樹は今初めて聞いた。
数少ない依頼主との会話の中に出てきた人物なのだろうが樹は正直覚えていない。
「言ってみろ、いまここに連れてきてやるぞ。」
「えーっとね、まずは…」淡々と何人かの情報を刑事に伝える。
樹はまた呆気にとられているだけであった。
集められた人たちが刑事を囲むように並ぶ。
1人目が梅脇辺太郎、被害者の元交際相手である。サラリーマン。30才。
2人目が一条颯真、最近に接触。害獣駆除の専門家。45才。
3人目は佐藤里子、被害者と隣人トラブルがあったらしい。主婦。51才。
「さてさて、では聞いていこう。先ほど聞いた所、死亡推定時刻は8時50分。君たちのアリバイを知らせてくれ。」東屋が言うと3人はそれぞれ答え始める。
梅脇は「私は別県の夜勤の帰り道であった」と主張。
一条は「仕事に行っていた。」とのひと言。
佐藤は「証拠はないけど家でくつろいでいた。信じてほしい」と言った。
素人目ながらも佐藤は見苦しい言い訳をしたが目に嘘はないように見えた。
しかしそれは他も同じこと。そもそもこの3人に犯人がいると決まったわけでもない。
首をかしげる樹の横で取り調べが始まる。
「被害者の人との関係は?」
梅脇「もう別れたのは1年も前になる。彼女を殺す理由なんてない!通話もしていなければ同意の上で別れてるんだ!」
一条「この間知り合ったばかりだ。あれは、確か一週間くらい前かな…。うろ覚えだけど暑くなり始めた日だったっけ、変な物音がするとか言ってて、えーっと、屋根裏に調査しに行ったんだけど動物は何もいなかったし、普通に前から知り合ってた人が犯人じゃないのか?」
佐藤「あの人は自分の家の木が近隣の家に飛び出してるの。枝が鋭いやつなんだけど、まだ小さい息子がいるから切ってほしいって言ったの。でも忙しいとか言って全然やってくれなくて、思い当たるとしたら同じ理由で近所の人がやったんじゃないかしら…」
こんな調子で到底犯人にたどり着けそうにない。
休憩を挟むため近くのカフェに東屋と足を運ぶ。
樹は烏龍茶、東屋はメロンソーダを注文してソファに腰掛けた。
「アリバイが本当かどうかを調べるべきですかね、」
「梅脇さんは道路のカメラがクルマをとらえてたんだってさ。なかにいた人はわからない。一条さんも勤務時間。会社のボードに予定が書いてあった。さすがに佐藤さんはどうしようもないけど家の近くのカメラには映ってないって。」
「こりゃしばらくかかりますね、」
そう言ってグラスに口をつける。しばらく休憩をとらず捜査していたため冷たい水分が体に染み渡る。
一方の東屋はメロンソーダに刺さったストローから唇を離すと、ため息をつき弱音を吐いた樹にこう言い放った。
「犯人は分かったからそう時間はかからないよ。」
思わず飲んでいた烏龍茶が気管に入って咳込んだ。
「ちなみにあの3人のうちの一人だよ。」
慌てて息を整えた樹は店内に響く大きさで
「なんでさっきの現場で言わなかったんですか!?」と言った。
「いや名推理披露中に助手がぶっ倒れたら私の面子が立たんだろう。」
東屋は空になったグラスを置くと立ち上がる。
樹も彼女のあとを追っていく。会計を済ませる。
ドアを開けると春風が来た。彼女の黒髪がなびく。
振り返った彼女は樹に言った。
「私たちに追い風が吹いている。早く終わらせて火事の件に戻ろう。」
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コメント
4件
読みました!! 毎回読み応えある量でどの文を見ても作者様の丁寧さがすごく出ていて思わず感情移入してしまいます! 特に、最後の「追い風」とか「彼女の黒髪が」みたいなところがすごい気に入りました!次回も読みます!応援してます✨️
おお、ついに犯人の手がかりが見えたか!東屋が「犯人は分かった」ってサラッと言うシーン、めっちゃ痺れたわ。樹が烏龍茶むせるところも含めてキャラの動きがいい。追い風が吹いてるってセリフもかっこよかった。更新ペースは気長に待つから、焦らず書いてほしい🔥