テラーノベル
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寝室には絡まり合う舌が織り成す優しくも厭らしく響く水音。両の掌に包まれるように塞がれた両耳。薄目に映るのは真っ直ぐに見つめてくる透き通った黒い瞳。
濃くまろやかな口付けとかち合う視線だけで、ただでさえ辿々しい呼吸が詰まりそうだ。
「ふ、ン…っん…!」
覆い被さってきためめのパーカーを握り締めながら必死で耐えていたつもりだが、意図せず漏れ出す吐息に羞恥心が湧き上がる。と同時に、彼の口角が上がったのが感覚で分かった。
やっとのことで離された唇にはてらてらとお互いの唾液が艶やかに塗れていて、それを舌で拭いながら余裕綽々な笑みを浮かべる整い過ぎた顔へと視界が拡がって──…思わず見惚れてしまっている自分に、何だか無性に腹が立つ。
「ねぇ康二、───触って、いい?」
耳元で甘さを纏わせた囁きが終わるか否かのところでインナーの裾からするりと這う靱やかな手に、全神経が意識する。
身体がそう勝手に反応を示すようになったのは、全部めめの所為だ。天使のような悪魔。羊の皮を被った狼。いつも俺の何もかもを掻き乱しよって───ちゃう、ここまで言葉巧みに絆されてきても何一つ嫌やと思わんかった俺がおるというんは…正直、心の片隅で解ってはいる。
嫌やったら、こんなコトせーへんし。
『好きだ』とか、そんなこと思わんし。
やから、
「めめ、」
触って。俺も沢山、めめに触れたい。感じたい。
そう素直に言えないからこそ、俺は彼の首に腕を回し、改めてあの甘やかな口付けとその先を求めた。
何処までも優しく、柔らかく撫でてくれるめめの手が好きだ。今もこうしてたまに息を漏らしながら《マジで上手になったね。》と褒めながら俺の頭や頬を撫でてくれる。それが擽ったくて、嬉しくて、もっと好くさせたい気持ちが湧いてしまう。
カラダは正直というのはどうやら万人共通のようで、普段からしれっと主導権を握るのが当たり前な彼でもイイトコロを刺激すれば息を詰まらせたり、刹那に顔を歪ませたりして…その顔も、好きだ。
じゅるじゅると唾液と彼の体液を舌で混ぜ合わせ、擦り込むように扱きあげれば、手の中のモノはひくりと反応を示すと同時に体液を忙しなく生産していく。口腔から鼻へ抜けるオスの芳香に羞恥も理性もじわじわと欠落して、次第に呼吸も荒くなって。
「ッは…なぁ、めめ、」
「ん…?欲しくなっちゃった?」
うっさいねん、めめやってそんなギラついた目しとる癖に。でも、勿論そんなことも言える筈もなく。
代わりに頬を撫でる広い左手を手に取って擦り寄り、そのままゆっくりと俺自身の身体を起こし、その手を下へ下へと誘導させて、ただ一言。
「──シて?」
途端にめめを軸に視界がひっくり返る。いつの間にか捉えていた筈の彼の左手は逆に俺の右手首を捕らえていた。の割に、腰に添えられた右腕が優しいな、なんて思っていたのも束の間。その右腕が外され、すかさず2本の指が秘所へと侵略を進めていく。
「あ、ッは…ぅ、んン…!」
反射的に空いた左腕で目元を隠す。それまで触れられてもいなかったのに、易々と受け入れて尚感じてしまう自分の身体が嫌になる。でもそれもきっと、何もかもを知り尽くしたこの男の所為だからであって。
「康二、ちゃんと見せて。」
ゆっくりと奥を解していく指とクリームのように絡む甘い囁き声には、従うしか、なくて。
「いいこ。」
「ッひ、あ、ぁ!!」
視線が合った瞬間。ごりごりと痼を強めに擦られ、腰が痙攣しながら跳ねる。一気に立ち上る射精欲に耐えるようにロンTを引っ掴むも、未だ責め倒すその指は止まることなく、なんなら追い討ちに左胸を舌で愛撫されて、
「あかん、まッ…~~~っく、ああァっ!!」
促されるままに勢いよく吐き出した白濁は彼の右頬を汚す。
余韻が終わった頃を見計らってずるりと抜かれた指に絡みつく腸液。それに乗せるように頬の精液を拭えば《今日勢い凄い…》なんて軽口を叩きながら、呼吸を整える俺に見せつけるように舌で舐め取った。
求め合うように、それでいて噛みつき合うような、深い深い口付け。思うように呼吸もできずに漏れ出る康二の吐息とお互いの唾液だけで既に口内が溺れそうで、俺もまた脳へ充分に行き渡りきらない酸素の比率と比例して、じりじりと理性が蝕まれていく。
激しい接吻の間に言葉を交わすことはなく、彼のナカに早く埋めたいと無意識に自身の準備を進める俺の性急さ、荒く湿った呼吸。逸る鼓動。囃す本能。それら全部が証拠だ。
「めめ、早く。」
あぁもう、どうしてお前はそんなに──…いや、そうさせた元凶も、根源も、全部、俺の『成果』かな。
「そんなに煽るワルイコにもなれるなんて…康二って、本当狡いよね。」
「ッ…あ、あアっ───!!」
ぐっ、と彼のナカへ押し込めた瞬間。弓なりに背をしならせながら、待っていたとばかりに両腕が俺の頭を胸元へと抱き竦める。日頃から鍛えられた筋力もあり、ちょっと痛いなぁ、なんて思うけれど、聴こえてくる鼓動と体温の心地の良さは女神にでも抱かれたようなもので。
まぁ、ついでに目の前に可愛い小さな実があったものだから、食んでみるのは不可抗力なわけで。
「んぁッ!?ちょっ、…そこッ、はァ…だめやっ、て!」
「天邪鬼はダメだよ、」
「っひ、んんッ!!」
ちろちろと実を舌で転がしながら軽い仕置をするように緩くグラインドさせれば、蜜壷はもっともっとと蠢く。
室内灯が煌々と照る下、彼のしっとりとした肌はほんのり桜色に色付いていて綺麗だ。それでいてすっかり俺の全てを咥え込みながら善がるオトコの姿に思わず見惚れ、心からの優越感と快感に熱い吐息を一つ。
「───それとも、煽ってる?」
肌同士のぶつかる音が一発。体勢はそのままに、緩い動きから一転して奥へ鋭く突き上げ、そのままごりごりと突き当たりの秘口を刺激する。反射的に彼の気管からひゅ、と息が漏れ、目を白黒させながら声にならない声を上げて俺の項に爪を立てる。それすらお構い無しに腰を揺すると、《あかん、むり、めめ、》と小さく掠れた声が出た…かと思えば、俺の腹部に数滴の熱を感じて。
「ぅあ、あ゛ッ…~~ッ!!…ふ、ぁ、あ…っ!」
余韻にとろりと揺れる紅茶色が此方を見つめている。眦から零れ落ちる一雫は媚薬か、蜜か、はたまた毒か。正直、何だって良い。ただただ吸い寄せられるがままに舌で舐め取る。
「めめ、まだ…イってないやんな…っ?」
「うーん、もっと可愛い康二を見たいから、暫く予定無いかな。」
「んな゛っ…うるさぁ…。」
そう言って少々気恥ずかしそうに目を逸らす康二が好きだ。余韻が去った後も無自覚な期待にきゅんと締め付ける、正直過ぎなこの身体も。
これからもっと天国を見させる気満々な俺って、もしかして天使かなにかだったりして…なんて、そんなコト言ったら怒りながら全力でツッコまれるんだろうなぁ。
だから敢えてその言葉と取り替えるように。再開の合図は慈しむように優しいキスから始めることにした。
──続き?勿論教えないよ?
ここからは、俺と可愛い彼だけのヒミツの時間だから。ね?
エンジェルキス
カクテル言葉:あなたに見蕩れて
コメント
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もう本当に2人の情事が甘すぎて、蕩けそうになりました!私はこの2人のCPが一番好きです!