この作品はいかがでしたか?
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阿部ちゃんから聞く話によると、照の会ってた女の人とは、ひなのちゃんの妹と言ってた子のお母さん。
実は、ひなのちゃんの新しい父親となった人は、浮気して、相手に子供が出来て、産んだというか、出来たことを誰にも言わず、もちろん検診も受けないまま、ある日陣痛が起きて病院に運ばれ出産。
ちょうどその時、ひなのちゃんのお母さんもその場にいて、引き取ることになったとの事。
結局、ひなのちゃんのお母さん、照の元奥さんは、育てることになり、結果、ひなのちゃんが要らないモノ扱いされて、それに反発したら、虐待を受けるようになったとの事。
で、あの時逮捕され…一旦一時保護されてた二人。それから、元奥さんが、2人を引き取り生活していたが、やはり、1人では無理との事で、阿部ちゃんに相談が来たと。
その頃、妹ちゃんの方の母親が、ニュースで知り、やはり自分で育てたいと、たまたま、阿部ちゃんのいる弁護士事務所に相談に来たとの事。
そして、照は元々、自分がひなのちゃんを引き取りたいという気持ちはあった。
元奥さんから連絡があり、阿部ちゃんに相談したことで、3人が繋がることに。その話し合いをする為に最近は、忙しくしてたとの事。
絵里が目撃したのは、妹ちゃんのお母さん。
そして、香水の匂いは、その人。
ひなの「ひなのは、要らない子?」
照「そんな事ない。」
ひなのちゃん……
そうだよね、1番傷ついてるのは、ひなのちゃんだよね……
○○「要らない子なんて、いないよ?」
ひなの「ほんと?泣」
○○「照……」
照「ん?」
○○「…なんか言うことあるんでしょ?」
早くに相談してくれたら良かったのに。
そんなに私信頼されてないのかな。
それが凄く、かなしくて…
照「………やっぱり…俺…」
そこまで言うと、口ごもった照。
○○「……無責任なことは、できないから。自分の子と、区別ないように、なんて、私…そんなできるとは思えないし…」
深澤「○○?」
○○「ん?」
深澤「○○は1人じゃないよ?大丈夫。照、気持ちは分かるけど、いまは○○には負担が重いとおもう。」
照「分かってる……」
深澤「だからさ、ひなのちゃん、俺と康二と暮らさない?」
照「え?」
ひなの「ん?」
○○「辰にい……」
深澤「パパにはね、ひなのちゃんと変わらないくらいに大事な人がいて、その人のお腹には、赤ちゃんがいるんだよ?」
ひなの「…赤ちゃん?おねーちゃん赤ちゃん??だからひなの要らない子?……泣。」
違う、違うけど……
ひなの「パパも、ひなの要らない子?泣。」
照「んなわけない……ひなのも、○○も、お腹の子も、みんなパパの大事な人。」
○○「ひなのちゃん?」
ひなの「……っ。泣。」
○○「ひなのちゃんが、大事だから、いまは、一緒には生活出来ない。ごめん。だけど、ひなのちゃんのパパは照だけだもんね、この子のパパも照だけ…だけど、この子は…」
照「○○!!」
○○「……ひなのちゃん、パパと暮らしなよ。」
ひなの「おねーちゃんは?泣」
○○「ん、おねーちゃんは…おねーちゃんのお母さんとお父さんとこで暮らす事にしようかな。」
照「……っ、」
○○「…赤ちゃん育てるの初めてだから、どうなるか分からないし、ひなのちゃんに負けないくらい、おねーちゃんもひなのちゃんのパパのこと大好きだから。それに、ひなのちゃんのことも、大好きだから…」
照「○○…っ」
○○「…だから、ひなのちゃん、赤ちゃん産まれて落ち着いたら、おねーちゃんも、赤ちゃんも一緒に暮らしてもいいかな?ひなのちゃん、赤ちゃんのお姉ちゃんになってくれる?」
ひなの「……え?ひなのお姉ちゃん?」
○○「うん、この子のお姉ちゃん。」
そう言って、お腹を撫でると、ひなのちゃんは、そっと、お腹に手を当てた。
すると、モゾモゾと、胎動が。
ひなの「わぁ………動いた!」
○○「ふふ(笑)可愛いでしょ?きっとひなのちゃんのママも、こうやって、可愛いなぁって、早く会いたいなぁって、楽しみだったと思うよ?」
ひなの「ほんと?」
○○「うん。ひなのちゃんのことが大事だから、ママは、パパにひなのちゃんをお願いしたんだと思う。パパは、ひなのちゃんのこと、絶対守ってくれるから。おねーちゃんの事も、この子(お腹の子)の事も。だから、おねーちゃんは、ひなのちゃんのママの代わりしたい。ママができない分を、代わりにさせて欲しいな。」
ひなの「……また、お洋服見に行ける?」
○○「もちろん! 」
照「○○……泣。」
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