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凛道桜嵐 新
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がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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ああ、なるほど…千歳の「疑念」ね。読んでて胸がぎゅーってなったわ。 体が変わってから和泉が目をそらす理由が、千歳には「気持ち悪いから」って受け取れてるところが切ない。でも実際は和泉なりに真剣に距離感考えてるんだろうなあ…って思うと、どっちも悪くないのにすれ違ってる感じがもどかしい。 九さんの「成長痛」って診断にはホッとしたけど、最後の布団のやりとりで千歳が傷ついてるのが伝わってきて、続きが気になるわ。和泉の本音、早く聞きたい🔥
ワシの体が朝霧の忌み子の姿になってから、和泉がなんか変だ。ワシを直視しないっていうか、なんか、目をそらす。
朝霧の忌み子の姿、そんなに変なのかなあと思ったけど、星野さんにはすごくかわいいって言われたし、和泉も美人って言った。見た目悪くないなら、別にちゃんと見てくれてもいいのに、なんでだろう?
星野さんが帰ってから、和泉が言った。
「あのさ、高千穂先生と、狭山さんにも一応診てもらいたいんだけどさ、どうだろう? 何も無かったら、疲れってことだしさ」
和泉、ワシが体に合う服着たらそんなに目をそらさなくなった。うーん、服が変だったからなのかな?
『じゃあ、ワシのことだから、ワシから頼む』
「緑さんと南さんにも、事態を説明しなきゃいけないと思う」
『あ、そうだな』
「直接頼まなきゃいけない狭山さんと病院には千歳が連絡してほしいけど、緑さんと南さんには俺から説明しとこうか?」
うーん、四人に一度に連絡するの大変だし、分担してもらったほうが嬉しいな。
『うん、じゃあ頼む。ワシ、狭山さんと病院に連絡する』
高千穂先生がいる病院は、とよか病院って言う。とよか病院の名前で検索したら電話番号が出てきたから、ここに電話すればいいか。
ワシはとよか病院に電話して名乗って、姿が変えられなくなって変だから高千穂先生に診てほしいと話したら、午後の開院時間すぐに診てくれるって言われた。狭山先生にも事情を説明したら、「じゃあ、とよか病院まで行きますから、そこで僕も見ましょう」と言ってくれた。
『三時にとよか病院行けば、高千穂先生も狭山先生も診てくれるって!』
和泉に言ったら、「よかった」と和泉は頷いた。
「緑さんと南さんには事情説明したから、その事も伝えとくね」
『うん、頼む。ていうか、お前仕事あるのに悪いな』
「今日一日くらいならなんとかなるよ。午後、俺も一緒に行く」
『昼飯はワシ作るから、病院行くまで仕事してていいぞ?』
「大丈夫? 疲れてない?」
和泉はすごく心配そうだ。
『全然大丈夫だ、姿が変えられないだけだ』
ワシは自分の胸をドンと叩いた。
で、昼飯の後、二人でとよか病院に行ったんだけど、なんかみんな勢揃いしてた。高千穂先生と狭山先生だけじゃなくて、緑さんも南さんもあかりさんも。あと九さんもあとから来るって。
緑さんが言った。
「千歳ちゃんの異常続くから、みんな心配してるのよ。守り刀でなにか変な反応があったりしても嫌だし」
『そうなのかあ』
でも、狭山先生に診てもらったけど、「全然変な干渉とか起こってないです、むしろ今の千歳さん、絶好調までありえますよ」と言われた。高千穂先生にはレントゲン撮られたんだけど、「守り刀写りましたが、それ以外は異常所見見当たりませんね」と言われた。体力測定もついでにしたけど、ワシはまた握力計をぶっ壊した。
和泉が言った。
「特に異常なしってことは、やっぱりこないだの疲れなんですかねえ?」
高千穂先生が頷いた。
「消去法でいけば、そうなります。ただ、九さんの方が霊的な存在には詳しいので、そちらのご意見も待ちたいです。待ってる間、千歳さんの身体測定をしてもいいですか?」
『別にいいけど』
身長154.7cm、体重49kgだった。守り刀の重さも入ってますね、と言われた。
高千穂先生が何かの表を見ながら言う。
「13歳半ばの女性の平均身長くらいですが、江戸時代だと成人男性並みの身長ですね」
『へえー』
まあ、ワシ数えで16だったし、女でも男でもないしな。
和泉がびっくりした。
「え、江戸時代の人ってそんなに背低いんです!?」
「現代より栄養状態が悪かったですから」
「でも、千歳、江戸時代の女の子の格好にもよくなりますけど、それは普通くらい……」
『チビすぎて今の家で動きにくいから、大きさは適当に変えてるぞ』
「え、そうだったの」
診察室の扉からノックの音がして、高千穂先生が返事したら「待たせたのう」と九さんが入ってきた。
「姿が変えられなくなったのか?」
『あ、うん。九さんの意見待ちだったんだ。ワシどんな感じだ?』
「ということは、異常は特になかったんじゃな?」
狭山さんが九さんに話しかけた。
「僕の目から見たら、異常なしどころか、とても好調に見えました」
高千穂先生も言った。
「こちらも、特に異常なしです」
「なるほど、のう」
九さんは頷いた。
「それなら、一時的なものじゃな。千歳、お主、神として成長しておるぞ。今、姿が変えられないのは、成長痛のようなものじゃ」
『え、そうなのか!?』
姿が変えられなくなる前の夜、早く大人になれますようにって願いながら寝たのを思い出した。それか!?
『えっと、ワシ、早く大人になりたいなって思って寝たらこうなっちゃったんだけど、そのせいか!?』
和泉がまた驚いた。
「そうだったの!?」
九さんは頷いた。
「まあ、きっかけのひとつじゃろうな……あと、この間お主に仕掛けられた術式を見たが、あれに耐えて爆発せずにこらえたのも、お主を鍛える元になったはずじゃ」
『へえー、そうなのかあ』
「じゃあ、悪い変化じゃなくて、一時的なものなんですね?」
和泉が九さんに聞いた。
「うむ、心配しなくてよい。まあ、よく食べてよく寝ることじゃ」
「そうですか、よかった」
和泉はすごくホッとした顔をした。心配してくれてたんだなあ。
そんなこんなで家に帰ったら、もういい時間だった。夕飯作んなきゃ。
夕飯食べながら、ワシは和泉に言った。
『ワシ、この体だと垢が出る感じがするから、今日から毎日風呂入る。今日お前のあとに入る』
こんな変な体、和泉に見せたくないから一緒には入れない。
「うん、じゃあ俺が出る時、湯船のお湯沸かし直しとくから」
で、夜、ゆっくりできる時間になったんだけど、今のワシはでかいから和泉の膝に乗れなくて悲しかった。今のでかさと重さで乗ったら、和泉はぐえってなる。
だから、寝るときはせめてくっついて寝たかったんだけど、寝るときになって、和泉に「千歳、布団で寝てね、俺寝袋あるから」と言われてびっくりした。
『なんで!?』
和泉はすごく困った顔をした。
「いや、その、今の千歳といっしょに寝るわけには」
『なんで!?』
「いや、なんでって、ダメだよ今は! 布団譲るから、よく寝て。俺は今日は寝袋で平気だから」
なんで? なんでくっついて寝てくれないんだ?
……ワシの体が、変だから?
和泉、一瞬だけどワシの裸見た。ワシの体の変なところも、見たと思う。
……ワシの体が変で、気持ち悪いから、くっつかせてくれないのか?
ちゃんとした服着る前、ちゃんと見てくれなかったのも、そのせい?