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「プロローグ─真澄─君の温もり」
start
俺は人の温かさなんて知らない
周りは体温も心も冷めきった奴らばかりで、考えることは今日を生きれるかどうかだけ
俺も例外ではない
任務でピンチな奴を助けたりもするが、助けるのは「仲間だから」ではなく、「まだ使い道ややる事がある」「まだ任務が終わってない」からだ
俺らの『助ける』という行為に温情なんてものはない
今は任務が終わってひと休み、というより次の指示がくるまで待っていた
周りでは同じように仲間が待機している
誰も一言も喋らない
馴れ合いなんてしていてはそいつに情が湧き、任務に支障が出るからだ
こんなんじゃ、ロボットとして生きる方がマシだな
プルルルル
携帯が鳴る。任務だ
全員に送られてきたらしく、みんな重い腰を上げて任務に向かう
余計な事は一切考えないように心を空っぽにして、俺も向かった
ヤバい、しくじった
余計な思考を巡らせてしまった
片足は吹っ飛ばされて歩けず、頭からは血が流れている
…くそ、あの時あんな事考えてなきゃ怪我なんか負ってなかったのによぉ
任務の場所に行った時、既に戦闘が行われていた
俺らは偵察部隊だが、潜入の他に暗殺なども行う。俺も透化なんて能力が無ければこんな所に入れられてなかったのに
何人か殺して身を潜めていると、そばで仲間が死んでいた
悲しくはないが、平気でもない
俺は人としての心は無いが、死んでも良いという思想はない。誰であろうが生きて欲しいとは思っている
…こんなくだらない事してねぇでさっさと終わらせればいいのに
戦争に意味なんて無いし、「お互い干渉しない。はい終わり」に出来ないのか
そうすれば仲間の死体なんて見ることはねぇのによ
疲れていたのだろうか、油断していたのだろうか。そんな事を考えた
そのせいで、近くの敵の気配に気づけなかった
んで、歩けないし動けない状況になった
スマホもインカムも壊れて上手く連絡が取れない
余計な思考は命取りになる。そう何度も叩き込まれてきたのに
何やってんだか
頭からの出血が多くて目眩がする
意識も朦朧としてきてかなり不味い
こんなとこで死ぬとかツイてねぇな
遠くで戦闘の音がする廃墟で、俺は目を閉じ意識を手放した
目が覚めるとそこは病室。真っ白な天井が目に映る
頭には包帯が巻かれていて、吹っ飛ばされたはずの足は回復していた
俺はまた死に損なったのか
指示だけを待ち、人を殺し、自分まで殺す人生なんて、そんなの死んだ方が救いだ
まぁ、せっかく病室にいるんだ。今までの疲れもあるし、昼まで寝ていよう
布団に潜り寝ようとすると…
「おっはよー!」
勢いよくドアが開かれ、誰かが入ってきた
病室でも俺は寝ることが出来ねぇのかよ
頭を負傷しているせいか、うるさいほど大きな声が頭に響く。ズキズキして仕方がない
真澄「…おい、誰だようるせぇな。寝てんだから静かに… 」
「あれ、起きてる!?」
「チャラ先ー!真澄さん起きたー!」
…何で俺の名前知ってんだ?
それも気になるが、さっきから声が頭に響いて痛い
とにかくあいつを黙らせないと
真澄「…お前、でかい声で喋るな。頭に響く」
「あ、ごめん!忘れてた、、」
「俺は四季!ちゃんと名前で呼んで!」
今知ったんだから呼べるわけないだろ。バカか?
というか、何でそんな個人情報話せるんだ。警戒心の欠片も無いな
真澄「…それで、何で俺の名前知ってんだ」
四季「え?チャラ先に聞いた」
チャラ先とは恐らく京夜のことだろう
勝手に俺の名前教えやがって
名前だって1つの情報だ。そうホイホイと教えるものではない
…それにしても疲れた
ただでさえ怪我をしているのに、いろいろ考えたせいで体力も気力も使った
少し寝るか
そう思い、布団を被って寝ようとすると
四季「あれ、寝るの?もしかして疲れちゃった?」
真澄「そーだよ。いろいろ考えたせいで疲れた」
四季「ふーん…、じゃあ子守唄歌ってあげる!」
真澄「、、は?」
子守唄という単語に少し驚いた
何でコイツにガキ扱いされなきゃいけないんだ
真澄「いやいらねぇよ。何もせずただ黙って… 」
四季「はーい、ちゃんと寝ろー」
そう言って四季は布団を被せた。しかも手でポンポンとあやすように叩いている
完全にガキ扱いだ
真澄「おいテメェ、今すぐ退け…」
四季「〜〜〜♪」
俺の言葉なんか聞きもせずに歌い出した
何なんだこいつは
音痴ではないが上手いというわけでもない
年下のやつにガキ扱いされて子守唄も歌われるとは、本来なら速攻で顔面をぶん殴っているところだ
四季「〜〜、〜〜〜♪」
…けれど、こいつの声は何故か安心する。頼っていいと、甘えていいと言われているような、そんな声
何だかとても温かい
聞けば聞くほど気が抜けてしまうし、眠気も出てきた
子守唄聞いて眠たくなるとかマジのガキじゃねぇか
四季「〜〜♪〜、〜〜〜♪」
真澄「(…不本意だが、今だけは許してやるか)」
四季の手のリズムと歌声に温かさを感じながら、俺はゆっくり眠りについた
真澄隊長のグッズ無さすぎて泣けてくる
またね
次回 ♡500⤴︎
コメント
8件
子守唄歌ってる四季くん尊い⊂( ꒪ ཫ ꒪⊂) 真澄さんが辛そうにしててうちも辛たん🥺けどさいこーっ!!! 続き楽しみだぁっ!
四季くんに絆されてく真澄隊長、最高に良いです(◜¬◝ ) 続きも楽しみにしてますねー!
子守唄を歌う四季くんとそれに絆される真澄さんが良すぎる!