深 お願い、だから、…っ、もう、苦しませないで…、ッ
この瞬間、やってしまった、と思った。けどもう遅い。目黒は驚いたように目を見開いていた。
そりゃそうだ。前にいる人が急に泣き出すんだから。けど、もう今全部伝えてしまおう、そして別れを告げよう。もう開き直ってしまった。そしてその緩みを表すかのように、口を開いた。
目 ふっか、さ…
深 あのな、!俺はずっと御前に片思い して来てんだよ、ずっと、前からずっと好きで、めちゃめちゃ好きだったけど、御前から恋愛相談されてたら、そりゃ俺の心も限界迎えたんだろうな、御前と一緒に居ると、ずっと離れなくなれそうだから、距離置いただけ、!なのに、もっと好きにさせんな、阿呆、ほんとに、今苦しいから、…ほっといて、、
全部、言ってやった。勢い任せで言ったから、自分でも何言ってるのか分からないくらい変なことを発していたかもしれない。けどどうでもいい。これで…目黒が、他のやつと幸せになる、なら…俺はもう、満足、、だ、
そう、諦めを表すかのように身体を相手から背け、下を向いた、これで、いいんだ。これ、で…
深 ど、うやって…諦めるんだよ、…っ、、、
目から自然と流れてくる涙を、俺に止めることは出来なかった。…諦めたくない、目黒の好きな人に取られたくない、…なのに、俺は、ずっと我慢してきて…馬鹿、だな、、ほんっと、、涙を止めようと手で目を拭おうとした瞬間、後ろから引き寄せられ、抱き締められた。
目 … ふっか、さん…っ、、
深 …めぐ、…ろ、?
振り向いて目黒の顔を見ると、歯を食いしばって、今にも泣きそうな、、そんな顔をしていた。
深 めぐ、ろ…はなせ、っ…
目 嫌です、
深 っ、良いから、離せ、!!
目 …絶対、離さねぇ、
そう言ったと同時に、ベットに押し倒された、相手の真剣な表情に、俺も ゴクリ、と喉を鳴らした。
目 今まで、…辛い、思いさせて、ごめんなさい、俺、自分の事ばっか考えて、他の人に気配れなくて、ほんとに、迷惑かけちゃって、、しかも、こんなストレス抱えて、ずっと俺の事気にしてくれたなんて…、やっぱり、最初から言っておけばよかった、俺の好きな人。
そう言った瞬間、胸の奥がズキリ、と傷んだ。やっぱり、阿部とか佐久間とか、そこら辺の奴なのだろうか、俺はその事実を受け入れられるか、心配…だけど、受け止める、しか、ない、のか…。
しかし、俺が思っていたような返事はこなかった。
目 俺が好きなのは、ふっかさん。…貴方です。
身体の隅から隅までが固まったような感覚になった。とうとうストレスでおかしくなったのか、幻聴まで聞こえるようになったのかと思い、無言で居たら目黒は
目 え、なんか言ってくださいよ、俺も好きとか、
深 ん?え、俺いま幻聴聞こえてさ、もっかい言って?
目 は、もう…俺が好きなのは、ふっかさんって言った。
深 俺やっぱりおかしくなってんのかな、検査しねぇと。
目 え、ちょ、どうしたんすか
パニックすぎてもう訳が分からなくなった。これが夢なのか、またまた幻聴なのか、それか…現実、なのか。よく分からなくなって頬を抓ってみると、ちゃんと痛くて、相手を見た。
目 ちゃんと現実ですけど。
…どうやら現実なようだ。そっからパニックになって固まってしまった。もう、翔太の言葉を借りると、パニックパニック。ほんとに。え、だって今まで話してた子って…え、俺の事、?
目 え、ちょ、平気っすか?
深 や、え、…ほんと、?
目 逆に嘘つくと思いますか、?
深 いや、ない、
目 そのまんまです。
困惑し目をきょろきょろと泳がせていたら、急に両頬を両手で包まれ、 ふっかさん、と呼ばれた、
深 な、…んだよ、
目 遅くなってごめんなさい。辛い思いさせてごめんなさい。…これからは、俺が幸せにします。絶対に悲しい思いなんかさせません、だから…俺と付き合ってくれませんか、?
真剣な表情で見てくる相手から、目が離せなくなった、パニック、よりも 嬉しいという感情が溢れ出て、つい、涙が溢れた。目黒にはまた心配して来たが、無視してこう答えた。
深 当たり前、だろ、っ…、
泣きながらの返答になってしまったので、かっこいいの か の字もないが、そんな事どうだっていい、俺らは俺らなりの進み方で進めばいい、そう思いを込めて、相手を抱き締めようとしたら、勢いよく抱き締められてしまった。
目 後悔なんて、、させません、っ、
その言葉に、また涙が溢れた。そして、宜しく、と言う意味で相手の手と自分の手を絡めさせた。
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体調が良くなって先生からの指示を貰い、目黒と手を繋ぎながら病院を出た。
深 …あ、雪、、
目 ほんとだ、
午後8時過ぎ。白い雪が空へ舞い、綺麗な夜空を見せた。スマホの日付を見ると、12月24日。クリスマスイブ。
目 ちょっと早めの、クリスマスプレゼント、ですかね。
深 んは、そうだなぁ、、
帰り道には綺麗なイルミネーションがあり、恋人たちが手を繋ぎながら歩いている様子を見て、恥ずかしくなったが、目黒はそれを見て手を強く握り締めた。
深 え、ちょ、目黒…
目 ふっかさん。
目黒はこっちを向いて、目を見詰められた、俺もそれに応えるように、目を見詰めた。その瞬間、相手の顔が近づいたかと思うと、唇に柔らかい感触を受けた後、顔が離れた。
驚きすぎて、 へ、? と声に出してしまったが、目黒は俺の反応を見て ニコッ、と微笑んだ。
目 可愛、…好きだよ、ふっかさん。
深 っな、、お、俺も好き、、
顔を紅く染めながら下を向くと、頭を ポンポン、と撫でられまた顔が熱くなった気がした。
目 …今日は遅いし、、俺の家行こっか。
深 ん、行く、
二人きりな事に気がつくのは、目黒の家に着いてからだった。
𝑀𝑒𝑟𝑟𝑦 𝐶ℎ𝑟𝑖𝑠𝑡𝑚𝑎𝑠. __end
コメント
12件
初コメ失礼します めめふかめっちゃ好きなのでめっちゃ良かったです!
めっちゃよかったですっ! 2人が結ばれてよかった!!
最高!!とっても面白かったです!!