テラーノベル
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みなさま、ここまで見てくれてありがとうございます。それでは3話です。
どうぞ
ドキドきしていた収録当日。
スタジオの空気は思ったより普通だった。
共演者が笑いながら言う。
共演者「最近忙しすぎて塩対応なんだって?」
スタジオが少しざわつく。
でもすぐにフォローが入る。
共演者「いやいや、あれ編集のせいでしょ。俺あの場いたけど全然そんな感じじゃなかったよ」
笑いが起きる。
仁人も笑う。
仁人「まぁ、そうっすね」
前より少し大きな声で。
笑う。
手を叩く。
オーバー気味に。
勇斗はその横顔を見る。
目の下、うっすらクマ。
収録後。
楽屋。
勇斗はマネージャーと電話している。
勇斗「だから、謝罪文出したんだからもう引っ張らなくていいでしょ」
仁人はそれを背中で聞いている。
勇斗「本人が一番きついんですよ」
沈黙。
仁人の眉がわずかに動く。
電話が終わる。
勇斗が振り返る。
仁人「やめてよ」
勇斗「何が」
仁人「俺のことでそんな言わなくていい」
勇斗「言うに決まってるだろ」
仁人「俺の問題だから」
勇斗「俺も関係あるって言ってんだろ」
空気が張る。
仁人「なんで」
勇斗「は?」
仁人「なんでそんなに必死なの」
勇斗「は?」
仁人の声が少し荒れる。
仁人「俺、そんな守る価値ある?」
一瞬、時間が止まる。
勇斗「何言ってんだよ」
仁人「だってさ」
笑う。
でも目が赤い。
仁人「期待外れで、炎上して、空気悪くして」
息が少し乱れる。
仁人「俺いなくてもよくない?」
その一言が落ちる。
勇斗が一歩近づく。
勇斗「それ以上言うな」
仁人「事実じゃん」
勇斗「違う」
仁人「違わない」
声が震える。
勇斗「仁人!」
その声に、仁人の肩がびくっとする。
沈黙。
そして。
仁人の目から、ぽろっと落ちる。
一滴。
本人も驚いた顔。
仁人「……あれ」
止めようとする。
でも止まらない。
仁人「やば、俺」
笑おうとする。
崩れる。
勇斗が迷わず抱き寄せる。
今度は躊躇わない。
仁人の額が勇斗の胸にぶつかる。
小さく、震える。
仁人「……疲れた」
声がかすれる。
勇斗は何も言わない。
ただ強く抱く。
仁人「俺、どうしたらいいか分かんない」
嗚咽が混じる。
ED
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