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RETTER Episode Ⅰ
あなたは、過去に何回でも戻れるとしたら、何を望みますか?
[ふぃ〜!]
[つむぐっち〜さっきの数学のテスト、ぜんっぜんわっかんなかったよね〜]
[ね〜]
[でもさ、うちの超優等生様を舐めちゃ困るんだよな〜]
[ちょっと!そんなに言わないでよ〜]
[でもさぁ、最後の問題解けたんでしょ]
[一応…ね?解けたよ]
[ほら〜]
[やっぱ格が違う!]
ある日の昼休み。中庭にて、私、橘紡玖(たちばなつむぐ)と、元気いっぱいのツインテールの星乃叶(ほしのかな)と、ザ・優等生の神川霖(かみかわりん)の3人でお話中!
私はフツーの高校生で、何をやってもほとんど平均点。叶ちゃんは数学が苦手だけど運動神経バツグンで、霖ちゃんは何でもできる天才!
やっぱり二人みたいに私も何か得意なことや個性的なところが欲しかったなぁ…
[ま、でもさ!もうテストは全部終了したし!答え配られて解き直ししたらついに美術の時間じゃい!]
[そだね!過去は振り返らずに美術だ〜!]
[いやでも、解き直しの時間あるから、いやでも過去を振り返る事になるけど…]
[あっ]
………………………………………………………………………………
[よぉっしゃーい!]
[ついに終わったー!]
[やっと美術の時間!]
いよいよ解き直しも終わり、ついに待ち望んでいた美術の時間!!!本当に長い道のりだった〜!
[はい今日は写真に収めたくなるような学校の素敵な風景を試写してみましょう。今日は試写したい風景を選ぶだけで構いませんよ]
それから、自然と3人が集まり、ぶらぶらと校舎内を歩くことになった。
[うわ〜!ここ隠れ映えスポットじゃね?]
[ほんとだ]
[もうここでいいんじゃね?]
[ハイ決定〜]
そこは特別棟から見下ろした中庭の風景だった。夕日がちょうど赤い紅葉の木にあたって、より赤々しくなっている景色だった。なんだか幻想的で、心惹かれるものがあった。
[てかさ、なんで写真に収めたいやつをわざわざ絵に表すのかな〜]
[やっぱ絵でしか伝わらないことでもあるんじゃない?]
そういって叶ちゃんが指で写真を撮るポーズをする。
続けて霖ちゃんも同じことをやったので、私もそのポーズもまねてみた。その次の瞬間、私は色とりどりの光の渦に飲み込まれた。