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「こんにちわっ!銀さん!突然なんだけど、私と鉱石掘りに行きませんか!!」
「・・・へ?」
突然、ふわりとした長い髪に、可愛らしい笑顔の少女“シロガネ”にそう誘われた。
「・・・俺でいいの?」
「はい!私、銀さんと鉱石堀りに行きたいんです!」
「別にいいけど・・・」
と、銀さんはこぼした。たしかに、鉱石がないのは確かだ。銀さんは重い腰を上げ、その少女、シロガネと鉱石掘りへと出かけた。
✵✵✵✵✵
「銀さんって、建築が得意なんですか?」
「へっ?」
鉱石を採っていると、突然そう聞かれ、思わず声が裏返る。
現在はラピスラズリとレッドストーンを取りに下へ下へと潜っていく。
「・・・あぁ、どうせレッドかすまない先生から聞いたんだな?そうだよ。俺、建築大好きなんだ」
「へぇ!私の父もそうなんですよ!!」
べキッ
「あ、やべっ」
と、彼女はポイッと手に持っていた鉱石を捨てた。
──パラパラと粉のように飛ばされるが、持っていたの石じゃなかったっけ???
と、銀さんは疑問を抱きながらも、鉱石を掘るのを続けた。
「私、父のような建築家になりたいんですよ」
と、彼女はツルハシを振り下ろす。ガキンッと音が響く。
「・・・父は建築の腕前はほんと凄くて、まるで魔法を使ったように、壊れてしまった物を綺麗に直すんですよね。そんな父に憧れて、私は父に弟子入りしたんです。と言っても、やっぱ建築は大変なんですよねぇ」
タハハッと彼女は笑いこぼす。それを銀さんはただ静かに聞いていた。
「でも、やっぱり私は父の子なんだなって思ったんですよね。私も、建築で様々な物を作ってそれをみんなが喜ぶ笑顔が、私は嬉しい」
そうシロガネは微笑む。
──自分も同じだったからだ。
そりゃあ最初は大変だったけど、今では壊れた学校を直したりすると、みんなが褒めてくれて、もっと建築したいと思うようになった。
・・・連れてかれた両親に見てもらいたかった。
その自分の建築の腕を・・・
「銀さん!!」
「へっ?」
突然シロガネに手を引かれた。
ガキンッ
シロガネは盾をインベントリから取り出し、攻撃を受け止める。そこには、ゾンビがいた。
(ゾンビ!?気が付かなかった!!)
銀さんはシルバーウォールをシロガネの前に出す。突然現れた壁にゾンビが混乱していると、
「ありがと!銀さん!」
「おい!?」
彼女はシルバーウォールの上の方の淵を踏み台に“何か”を取り出し、それをゾンビに向かって振り下ろした。
ズガンッ
重く鈍い音が洞窟内に木霊する。グラグラと地震のように揺れた。
銀さんは恐る恐るシルバーウォールから顔を出した。
「あ、銀さ〜ん、大丈夫〜?」
と、おんぷが出てそうな声のトーンで彼女は笑いかける。
・・・地面が抉れているが
「おいーっ!!なんだよ!?なんで地面抉れてんだ!?てか!!ゾンビどこいった!?!?」
「多分潰れたかな?」
「呑気か!?」
ケロッと話すシロガネにいつもすまないスクールメンバーにツッコミを入れるようにツッコミを入れた。
「本当は私両手ハンマー使いなんだけどさぁ、カネリ・・・じゃなくて、カネンが『洞窟探険に行くなら1本だけにしなさい!!』って言うんだよォ」
と、シロガネはぶつくさ言いながら、ハンマーを振る。
そのハンマーは驚くほど白く、埋め込まれている灰色に近い宝石はとても美しかった。
「・・・そのハンマーって・・・」
「うん、私のお父さんの作品!」
とても美しかった。銀さんはそのハンマーに触れる。
「・・・いつか、こんなの俺も作れたらいいな」
そう銀さんは呟くと、シロガネは力強く答えた。
「出来るよ!銀さんなら!絶対!!」
そう笑顔をこぼす彼女に、銀さんは思わず嬉しくなり、笑った。