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「もう〜アミィー、そういうのは、まだ早……」


「早くない、早くない」と、アミが話を遮って、私の顔の前で大げさに手を振って見せる。


「そんなわけな……」と、否定しかけたところに、矢代チーフが言っていた──『いつかは、このカギを一つにできたらいいな』という言葉が頭をふっとよぎって、今度は自分の口に急いで手をあてた。


「ふふん、今何か思い出したでしょう〜?」


したり顔で言うアミと、


「ねぇそれで、約束はどうしたの?」


話を蒸し返すエミの二人から、強めの圧をかけられて、


私は、もう一度シーッと人差し指を唇にかざして、その場をどうにかやり過ごそうとした。


「えぇー、聞かせてってば〜約束ぅー」と、駄々をこねるエミに、「それより、今何思い出したのか教えてよー」と、詰め寄るアミにはばまれて、


どうやらやり過ごすことは、やっぱり不可能だったと悟って、「……はいはい」と、仕方なく折れると、二人は揃って「やったー」と、声を上げた。


「もう、まったくゲンキンなんだから……それで、どっちの話からだった?」


苦笑しつつ口にすると、「はーい、私の約束の話の方が、先だったもの」と、エミが手を挙げた。


「そっか、じゃあまずはそれからね……」


コホンと小さく咳払いをすると、


「……約束は、完遂かんすいしました!」


照れくささを隠すため、額の端っこに片手をかざした、ちょっとだけおどけた敬礼のようなポーズで答えた。


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