もう窓から見える外の景色は夕焼け色に染まっていた。
いつまでもチクタクと音を鳴らしている壁掛け時計に目をやると、もう夕食の時間が迫っていた。
空は随分と綺麗に紅く染まっている。
この空を、炎露も、津炎も見ているだろうか…。
疲労感からか、しんみりとしてしまった。
正直腹は減っていない。
……今日の晩飯は主と、ナチス、津炎、炎露の分だけでいいか。
「晩飯作ってくるわ」
そう言って、席を立つと、何か思い出したように主が話し始める。
「俺、晩飯要らないわ」
どうやら、今日は主も腹が減ってないらしい。
結局、今日は3人分だけでいいみたいだ。
今日は、プロフにでもしようか。
なんて事を思いながらキッチンへ向かう。
料理なんてものは、やはり、慣れると早く作れるようになるらしい。
今後の事なんか考えていたらあっという間に完成した。
今更な気がするが、やる事が多すぎる。
今現在、ナチスの領土だった場所は空いている。これからは、ナチスと津炎の後継者が生まれるだろう。そいつらをこれからどこの国の保護下に入るのか。
まずまず、生まれるのか。
そもそも、既に生まれているかもしれない。
中華がここに滞在する理由は、きっと訓練やら何やらだろうが、あいつの体調は万全なんだろうか。
炎露はここ最近何も口にしてないようだが、痩せ細ってないだろうか。
不安事も、心配事も、考えれば考えるほど、負のループに陥りそうで、ただため息をついて、そんな感情を外に吐き出すしかなかった。
そんな事を俺がいくら考えようが、心配しようが、この現実が変わることは無く、ただ一刻一刻と時間は進んでゆく。
いつも通り、炎露と津炎に晩飯を運ぶ。
今日はやけに疲れたらしい。
そのまま風呂にも入らず俺は自室のベッドで眠っていた。
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