テラーノベル
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今回の物語はBL要素ほぼありません。
強いて言うならロシアメです!
でも、見てください!面白いですよ!尊いですよ!純愛(?)ですよ!
R-18とか無いですけど、
とても尊いので、
1話だけでも是非。
メインキャラクターは、ロシアとアメリカです。
たまにイギリスとかその他が出てきます。
※政治的意図はありません。ただの二次創作としてお楽しみください。
約3,800文字
ロシアSide∶
子供は大嫌いだ。騷しいし、我儘で、気品の欠片もなく、王様気質。すぐ泣くし、弱い。誰かに守ってもらわなければ生きられない貧弱な生物。
それが子供だ。
だから俺は子供が大嫌いなのだ。
そう言えば、子供みたいな男がいたな。
騷しくて、我儘で、気品の欠片もない、王様気質な男。
アメリカだ。
俺はあいつも苦手だ。本当に…
突然、玄関扉が叩かれた。
…? 今日は誰か来る予定があっただろうか…。
誰だろう。出る気がしないな。居留守でやりすごそうか…。
そんなことを考えていると、誰かがもう一度扉を叩く。
「…うるさい」
俺の静かな生活を破るのは何処の誰だ。
「はぁ」
俺はため息をついて、重い足取りで玄関へ向かった。
ドアノブに手をかけて、玄関扉をゆっくり開けた。
扉の前には、紅茶臭い偽紳士が立っていた。
「御機嫌よう、ロシア」
「帰れ」
俺が扉を閉めかけると、隙間に足をねじ込まれて阻止された。イギリスは微笑みながら、扉を開けるように促す。
「なんの用だ…」
「実は、貴方に預けたいものがありまして」
「…?」
預けたいもの…?
俺は郵便局ではないのだが…。
イギリスは背後に隠れていた子供を俺の前に押し出した。
見覚えのある面影を映した顔。嫌なほど見た碧眼。長いまつ毛に、ぷっくらした唇。丸い頬。
見た目はだいぶ幼いが…
「まさか…」
俺は嫌な予感がした。無意識に口角が下がる。
「ええ…そのまさかですよ」
嘘だろ。こんなに小せえ子供が…アメリカだって言うのかよ。
「ほら、挨拶しなさい」
イギリスが子供に促す。子供は俺をじっと見つめて無言のままだった。
「…」
こっちから話しかけるべきなのか……?
そう思い話しかけようと口を開いた瞬間、子供が叫んだ。
「変な顔!」
このクソガキ埋めてやる。
「…では…よろしく頼みますよ…ロシア…」
笑いを堪えながらイギリスは言う。
お前も埋めるぞ。
イギリスは玄関扉を閉めながら付け加えた。
「アメリカが幼児化したことを、誰かにバラしてはいけませんよ」
もしバラしたら、俺は土と友達になれるらしい。
イギリスは微笑んだまま玄関扉を静かに閉めた。
こうして始まった、幼児化したアメリカと俺の生活。全く最悪だ…。何故イギリスは俺に押し付けるんだ。他にもっと適役いるだろ。カナダとかオーストラリアとか。
そもそもイギリスが世話すれば解決する話だろ。
何故俺がアメリカを世話しなきゃいけないんだ。俺にどうしろと?詳しい説明もなかったし、俺は子育てなんて経験ないぞ…。
「…アメリカ」
「バーカ!」
名前を呼んだだけで罵られた。
このクソガキ、大人を舐めやがって。
アメリカは元気に家中を駆け回る。俺の静かな生活に終止符が打たれた。元に戻ったら覚えてろよクソリカ。
俺は家の中を走り回るアメリカを捕まえて、会話を試みる。しゃがんで、同じ目線で話してみた。
見た目は5歳か6歳くらいの幼児で、背丈は俺の腰よりしたくらいだ。話が通じるかは分からないが、やってみるしかない。
「アメリカ。お前何か覚えてることはあるか?」
「うるさい!」
「…答えになってねぇよ。…アメリカ…俺の名前言えるか?」
「変な顔!」
「違ぇ」
「離せクソ野郎!」
「…」
これが幼児の語彙なのか…?さっきからずっと罵られてるんだが?まあ…イギリスの息子だし、そんなものか。
とりあえず、アメリカとの会話を経て分かったことをまとめよう。
まず、会話ができないな。それから多分、記憶も幼児化している。嗚呼…本当に面倒臭い。
「いいかアメリカ。俺はロシアだ。変な顔じゃなくてロシア」
「…ロシア…?」
お、今度は素直に聞いてくれた。
「変な名前!」
よし、やっぱり埋めよう。
「離せ!」
アメリカは俺の手から逃げ出して、そのままリビングの方へ駆けていった。
俺は大きいため息を1つ吐いて、重い足取りでリビングまで歩いた。
リビングに着くと、アメリカは椅子に座って待っていた。そして俺と目が合うと、両手で机を叩き始めた。
「お腹すいた!何か作れ!」
そう言って騒がしく机を叩きつける。
俺はアメリカを無視してソファに座った。
「おい!変な名前!お腹すいた!」
うるさい。
呼びかけても動かない俺に痺れを切らしたアメリカは、俺の元まで歩いてきて俺の足を叩く。
「お腹すいた!!」
俺はアメリカの肩を掴んだ。
「痛!」
そんなに強く掴んだつもりはない。ただいつもアメリカに接するときの強さで…。
そうだ…、今のアメリカは幼児だった。いつもの強さで接するべき相手ではない。
俺は何してるんだ。
ソファから立ち上がり、肩を抑えて大袈裟に痛がるアメリカの横を素通りした。
まあ…昼飯くらい作ってやるか…。
コンロにフライパンを置き、火をかけた。
「何か作るの??」
アメリカが興味津々で足元に来る。見たい見たいと手を伸ばしてくる。俺はその手を軽く払う。
「危ねえから…あっち行ってろ」
俺はアメリカに立ち去るように促したが、アメリカは俺の足元でちょこまかと動き回る。邪魔だ。
「アメリカ!」
少し声を張ってみるが、アメリカははしゃいで話を聞かない。
俺はため息をつきながら、熱したフライパンに卵を2つ落とした。卵を割るのが下手すぎて1つ黄身が破れてしまった。
これは俺のにしよう。
ふと、 卵に火が通っていくのを見ながら考えた。
(アメリカは半熟と完熟どちらがいいだろうか)
俺はフライパンから目をそらしアメリカの方を見た。
アメリカは足元に本を積み上げて登り、壁に掛かった包丁に手を伸ばしていた。
「触るな!!」
思ったより大きな声で怒鳴ってしまった。俺は怒鳴った後で、今のはやりすぎたかと自問自答した。
怒鳴り声に驚いたアメリカはバランスを崩し、床に尻もちをついてしまった。
「…っ」
アメリカの顔は見えないが、多分…痛がってるよな。
えっと…どうしよう…。
「…アメリカ…怪我はないか…?」
アメリカは答えない。
「アメリカ…?」
「…っ…ぐ…ス」
あれ…不味いぞ…
「…ぅ゙わあああぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙っ」
世界が終わったみたいな泣き声だった。
俺は凍りついた。
「…」
アメリカは泣き続ける。
「うわああああ!!」
涙、鼻水、呼吸がぐちゃぐちゃ。
慌てて駆け寄り、アメリカの隣にしゃがんだ。
「…違う」
「うあああ!!」
アメリカを抱き上げてみた。
「…泣くな」
泣き止まない。
むしろ声量は増す。
俺は幼児の泣き止ませ方は知らない。
ぎこちなくアメリカの背中を叩いたが 、アメリカは泣き止まない。
「うわあああ!!」
「…どうすればいい」
もちろん答えはなかった。
「…」
俺は少し考えてから言った。
「…危ねぇから」
アメリカは泣く。
「うあああぁ゙」
俺は続けた。
「…怪我をすると思って」
「……驚かせるつもりはなかった」
「…悪かった」
自分の口から出た言葉に驚いた。
きっと俺は混乱していたんだ。
うるさい泣き声に苛立ってしまって、
アメリカを泣かせたことに罪悪感を抱いて、
どうすればいいのか全くわからなくて。
アメリカの泣き声が少し小さくなる。
少ししゃくりあげながら、俺を見上げた。
「…っ……スっ」
俺はぎこちない手つきでアメリカを少し撫でた。
「…落ち着いたか…?」
アメリカは小さく頷く。
俺はアメリカの頬を撫でながら言葉を紡いだ。
「急に怒鳴って悪かったな……
…危ねえから…座ってろ」
アメリカは大人しく机に向かった。
アメリカが席についたのを確認して、俺は安心した。何故か分からないが、アメリカに怪我がなくて良かったと思った。
コンロに目をやった。
火にかけられ続けたフライパンはダークマターを生み出していた。
もはや半熟か完熟か考える必要がなくなった。
「作り直し…か」
俺はフライパンの上からダークマターを取り除き、もう一度卵を2つ割った。今度は黄身を割らなかった。
このダークマターは、イギリスにお礼として渡しておこう。
コメント
3件
ちゃんとお礼するロシアは偉いな(?)まじで面白かったです。尊すぎて口角が飛んできました。どうしてくれるんですか(どうもしなくていいです)
ダークマターに全て持って行かれたw銀魂のお妙さんかよw ロシアさんの足にアメリカ君がしがみついてるの考えたら可愛すぎる
ロシッアサンのちょっとした優しさだけでお腹がいっぱいである。もっと食べます (ダークマター(暗黒物質)は、電磁波(光)で観測できず、質量のみを持つ未知の物質である)