ある日の放課後、イレブンとセーニャは学校が終わった後、いつもの公園に向かっていた。二人ともランドセルを背負い、元気よく歩いている。
「イレブンくん、今日は何して遊ぶの?」セーニャは軽やかに歩きながら、少しだけイレブンに寄り添うように聞いた。
「うーん、今日はセーニャちゃんと一緒にお城を作りたいな!」イレブンは笑顔で答えると、セーニャの顔を見てはにかんだ。
「お城!?いいですね!でも、ちゃんと立派なお城作らないとね!」セーニャは目をキラキラさせながら、イレブンに答える。
公園に着くと、二人は砂場に向かい、それぞれスコップとバケツを持って砂遊びを始めた。セーニャは真剣に砂を固めながら、ちょっとしたお城の壁を作り、イレブンはその横で、小さな塔を作り始めた。
「イレブンくん、壁が崩れちゃうよ!もっと固めないと!」セーニャが心配そうに言うと、イレブンは焦って砂を押さえた。
「あ、うん!セーニャちゃんがそう言うなら、しっかり固めないと!」イレブンは真面目に頷き、手を動かし続けた。
その時、セーニャがふと顔を上げて、イレブンと目が合った。彼女の頬が少し赤くなり、すぐに顔をそらしてしまう。
「ど、どうしたの?」イレブンは少しびっくりした様子で声をかけた。
「い、いえ、何でもないです…」セーニャは恥ずかしそうに言って、砂を掴んでまたお城の壁を固めた。
「セーニャちゃん、やっぱり可愛いなぁ…」イレブンは心の中でそう呟きながら、少し顔を赤くした。
その後も二人は夢中になってお城作りを続け、少しずつ立派な城が出来上がっていった。空はオレンジ色に染まり、日が沈む頃、セーニャはイレブンに声をかけた。
「イレブンくん、今日は本当に楽しかったですね!また一緒にお城作りましょうね!」
イレブンは大きくうなずき、微笑んだ。「もちろん!明日もまた一緒に遊ぼうね、セーニャちゃん。」
二人は手を振りながら帰り道を歩いた。その背中を、オレンジ色の夕焼けが優しく照らしていた。
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