寂しがりの大人

向井は、たった6枚をどう使おうか考えている。

服を脱ぎ散らかし、片足を立てて、背もたれにもたれ天井を見ている。1枚目。

両手で自身を掴みゆっくり動かしている目を閉じて微笑みを浮かべている。2枚目。

手は動かしながら、顔を向けて向井を見る。 3枚目。

渡辺が目を閉じて片手を口にして指を舐める。4枚目。

向井は、ゴクリと唾を飲む。

渡辺ーこうじぃ〜。

向井ーあかんて！

渡辺ー気持ち・・いい。

向井ー堪忍して。

渡辺は俯き舌を出しペロリと唇を舐める。5枚目。

渡辺ーこうじぃ〜でる・・はぁ。

向井ーん。

渡辺ーで・・る・・はぁはぁ。

目を閉じて天井に向かって熱い息を吐きイッた。6枚目。

向井は服を脱ぎ渡辺に覆い被さる。

渡辺ーもっと気持ちよくして？

向井ー堪らんわ。

渡辺ーちゃんと撮った？

向井ーん、撮った、綺麗やった。

渡辺ーふふふ。

向井ー写真、ぶれとるかもしれん。

渡辺ー何で？

向井ー興奮して、手が震えた。

渡辺ーもうしないぞ？

向井ー俺の心臓が持たん。

渡辺ーもっとキツく抱いて。

渡辺も向井も満足する、熱い夜を過ごした。

シャワー浴びて、向井の服を着て向井の膝枕で眠ってる。

ホントなら、早く現像したい。

だが渡辺が離れない。

向井も離したくない。

渡辺が起きるまで、向井はさっきの渡辺を思い返していた。

妖艶で、時に可愛くて言葉がない。

あんな大胆な渡辺は初めてだ。

それだけ寂しかったのだろうか？

子供のような大人のような人。

まだまだ知らないことがある。

可愛い渡辺が帰るまで、後30分。

帰ったらすぐ現像しよう。

自分だけの宝物。

渡辺ー今何時？

向井ー起きたん？11時や。

渡辺ーそろそろ帰る。

向井ーん。

渡辺ー今夜は楽しかったか？

向井ー我慢の限界に挑戦した。

渡辺ーふふふ。

向井ー覚えたセリフが飛んで行ったわ。

渡辺ーはははは。

向井ーええもん見せてもろたし、もう1回覚え直しや。

渡辺ー俺、良かった？

向井ー写真撮ってなかったら襲っとる。

渡辺ー帰ろうっと。

笑いながら渡辺は帰って行った。

きっと今日は寂しくない。

向井も寂しくない。

完