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演劇部 6月発表作品『夕暮れの坂道で、君に文字を紡ぐ』
全編台本
【登場人物】
ハル(大橋 蹴翔 が担当): ぶっきらぼうで、素直になれない少年。
セリ(穂志羅 星蘭 が担当): いつも強がっているが、実は一途な少女。
【舞台設定】
放課後の誰もいない教室。窓の外からは、遠くの運動部の声が微かに聞こえている。夕日が教室の奥まで差し込み、二人の影を長く伸ばしている。
【第一場:夕暮れの教室】
[幕が上がると、ハル(蹴翔)が机に腰掛け、炭酸飲料の缶を指先で弄んでいる。セリ(星蘭)は自分のカバンを抱え、少し離れた場所に立っている]
ハル:……おい。そろそろ帰るぞ。いつまでそこに突っ立ってんだよ。
セリ:……別に、いいじゃん。私の勝手でしょ。ハル:勝手だけどさ。お前がそうやって黙ってると、まるで俺が何か悪いことでもしたみたいに見えるだろ。
セリ:(一歩、ハルの方へ足を踏み出す。表情から強がりが消え、スッと真面目な顔になる)……ハル。今から私、100%本気の告白の演技をする。だから、1ミリも照れずに切り返してみて。
ハル:(フッと鼻で笑い、キザに髪をかき上げる。だが、無意識に右の耳たぶを少し触る)はっ、上等じゃねえか。どんな高度な嘘が飛び出すか、正面から受け止めてやるよ。
セリ:(ゆっくりと目をあける。夕日をいっぱいに浴びた、嘘を一切混ぜない、本気の少女の顔)……あのね。私、実はあなたのこと、ずっと前から好きなんだよね。これ、演技じゃないよ。
ハル:(喉をゴクリと鳴らし、椅子の背もたれに深く寄りかかる)……おい、その告白の割に、目が笑ってないぞ。
セリ:(さらに机の距離を詰めるように、身を乗り出す。瞳に大粒の涙が溜まり、ポロリと頬を伝ってこぼれ落ちる)目が笑ってないのは、今、心臓が破裂しそうなくらい緊張してるから……!あなたが世界一鈍感で、人の気持ちを裏返してしか見られないバカだけど、私、本当にあなたじゃなきゃ嫌なの。これは、私の可愛い嘘なんかじゃない。一生に一度の、本当の、本物の告白だよ……!
ハル:(ガバッと立ち上がり、ハッとした表情でセリを凝視する。顔がカッと真っ赤に染まり、激しい葛藤と嫉妬が入り混じった声で、台本通りのセリフを叩きつける)……お前、そんなトーンで泣きながら言うなよ。そんな顔で泣かれたら、俺だってこれ以上、嘘の盾で誤魔化せなくなるだろ。俺の本当に好きな女子は、他の誰でもない、お前だけなんだよ……っ!
セリ:(ハルの本気の熱量に目を見張り、涙を浮かべたまま次のセリフを紡ぐ)……え? 嘘、じゃないの……? 私たちのこと、クラスのみんなが茶化して、噂にしてるから……。だから、その腹いせで私をからかってるんじゃないの……?
ハル:(肩を掴む手に、さらにぎゅっと力がこもる。真っ直ぐな視線でセリを射抜く)外野の噂なんて関係ねえだろ! 誰が誰と付き合おうが、誰が誰を茶化そうが、俺の目は最初からお前しか見てねえよ!……これからは演技でも、ただのコンビでもない。俺と、本当の、本物のカレカノになってくれ。
セリ:(ボロボロと大粒の涙を流しながら、ハルの胸に飛び込む)……うん、うんっ……! 私も、ハルじゃなきゃ絶対に嫌……っ!
[ハルは、胸に飛び込んできたセリを優しく、だけど決して離さないように強く抱きしめる。そして、ゆっくりとその体を離し、セリの濡れた頬を両手で包み込む]
ハル:もう、絶対に嘘つきなんて言わせねえよ。
[ハルは静かに顔を近づけ、夕日の光の中で、セリの唇に優しく、深く、キスをする。二人の影が、黒板の前で一つに重なり合う]
(幕が下りる)
コメント
1件
わあ、すごく熱い台本でしたね…!「演技」と「本音」が交錯する感じがたまらなかったです。特にセリが「一生に一度の本当の本物の告白」って言うところ、涙が伝う描写も相まって胸がぎゅっとなりました。ハルの「俺の目は最初からお前しか見てねえよ」も、照れくささと真剣さが混ざってて最高でした。お二人の掛け合い、もっと読みたいです!