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回る炎の剣

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回る炎の剣

7 - 第7話 汝の罪を見つけたり

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2022年10月14日

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「ねえ、佐藤さんは文化祭の準備で、部員の書いた原稿をまとめていたって言ったよね。……いつも授業をさぼってそんなことしているの?」

「な、何よ、急に。……そ、そりゃあ時々ね。でも文化祭のときだけよ」

先生の前でさぼった話を深堀されて焦っている。その姿は演技には見えない。

「じゃあさ、そのまとめた原稿を見せてくれるかな?」

「えっ!? ……なんで私がそんなことしなくちゃいけないわけ?」

「いいじゃないか。見せてくれても減るもんじゃないだろう」

「やだよ! 勝手に見れば!」

佐藤里香は怒ったように言い捨てた。原稿を見れば、証拠になる。逆に見せないのは怪しい。……けれど、佐藤は自分が疑われているとは思っていない。そう考えると、こっちの方が自然な反応とも言える。

「勝手に見ていいんだね?」

「もう、何よ、さっきから! どうせ文化祭で冊子を配るんだから、そのとき見ればいいじゃない!」

確かにそうだ。その時に見せてもらえばいいだけの話だ。今はこれ以上探りを入れても無駄だろう。僕は質問する相手を変えた。

「あのさ、佐々木さんの方は何か部活してるの?」

「ううん、私は何もやってないわ。文化部に興味ないし……」

「そうなんだ。その……、サッカー部のマネージャーとかじゃないんだ?」

サッカー部の話は拓海のことを思い出させるかもしれないから、できれば避けたい話題だった。でもいまは、そんなことを言っていられない。

「サッカーなんて興味ないわ。マネージャーなんか絶対イヤ」

そうなのか。拓海の恋人だから、てっきりマネージャーをしていると思っていたんだけど……。

「わかったよ。変なこと聞いてごめん」

そのとき、先生が口を開いた。

「ミスター・ロバート、やはり女子生徒二人だけを残していくというのは、少し考え物です。この異常事態だ、警察や救急車を呼んで、我々はここで待っていましょう」

「フム、まあそうですね。外に出ないですむなら、それがベストでしょう」

これは……もしかして先生には、誰が「敵」かわかった、ということなのだろうか。先生はその場で通報して、しばらくすると警察やら救急隊員やらが押し寄せた。その混雑の中で、僕はそっと先生に聞いてみた。

「先生、わかったの?」

「ああ。少し確認してみたいこともあるが、だいたいな」




――あなたは、誰が怪しいか、分っただろうか?(続く)

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