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深く紳士帽をかぶった男の顔ははっきりと見えなかったが、ビルにはその男がジミーだという確信があった。街のはずれの小さな公園に、誰か他の者が来るとしたら、浮浪者ぐらいだった。しかし、その男の身なりを見るに、そうは思えなかった。
ビルと彼の友人は並んで街を歩いていた。二人腕を組み、若かった頃の思い出に浸った。久し振りの街の様子はすっかり変わり、幼い頃の二人の秘密基地だった公園があるはずの場所には、家が一軒立っていた。
「すっかり変わってしまったな、この街も。」
そうビルが言うと、
「ああ。そうだな…」
男は頷いた。
「ところで、君はここで成功したのかい?」
「まあ、成功したと言えば、そうだな」
「そうかい。実は僕も、上手くいってね。妻と、子供が二人いるよ。」
ビルが言うと、男は俯いた。
「ああ。よかったじゃないか。」
明るい繁華街の入り口で、ビルは急に足を止めた。
「待て。君はジミーではないだろう」
男は驚いたように言った。
「何故だい?」
「30年という年月はいろいろなものを変えるが、高かった君の鼻がそんなに小さくなることは無いだろう 」
ビルは叫んだ。怒りや悲しみなど、色々な感情がこみ上げてきた。周りの人々は、今にも泣きそうな顔でこちらを見ている。