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ここは、俺以外が全て魔物と化した世界
大地が焦げた草原
火山が噴火し、マグマが溢れている、かつて水で満たされていたであろう湖
住宅で溢れかえっていたはずの森林
ツルで包まれた今にも崩れそうな大きな建物
そして
見るに耐えない姿になった“人だったもの”
すべてが魔物と化した
なぜ俺が生きているのかはわからない
いや、“忘れた”といった方が正しいか
家族、ペット、友達、近所に住んでた人、人に関するものを全て“忘れた”
今、俺がいるのは大きな「家」
今にも崩れ落ちそうだが何とかバランスを保っている
「なにか大切なものがここにある」
そう信じて
俺はここにきた
数々の“人だったもの”に襲われながら
家はかなり広い
だがこれだと捜索範囲が広がって大変だ、一階から目に見えるものを手当たり次第取ってみることにした
まず、玄関から見て左の部屋
この部屋は客間のようだ
なにかないかと俺はカビだらけの棚を開けた
手紙が入っている
:家政婦の手記
何なのこの家、雇い主と話した途端「一階の部屋ならどれでも入って掃除すればいい、だが一階以外の、、、、二階には入るな」って仏頂面で言われたし、一体何があるんだかこの家
まあ言われた通りやるのが家政婦、一階しかやらなくていいなら棚の裏まで隅々掃除できるわ
でも思ったよりこの家は広かった。全ての部屋は掃除できたけど、隅々ってほどじゃないわ
あとはご飯を作るだけって思ったんだけど、「毒でも盛られたらどうする」だってやらなくていいことになっちゃった
どうしても勤務時間が余るから部屋の掃除をしようと歩いていたら二階への階段が見えてちょっと覗いてみようかなって思って覗いてみたんだけど何もなかったわ
なにか“曰く付きの二階”とか“怨霊”とかあるのかなって思ったけどガッカリ
まあでも階段から覗いただけで何かあったらさすがに家政婦なんて雇わないか、あんなに念を押されたら少し見たくなっちゃうもんね
ここで終わりか
あまりこの家の構造に関する情報はなかったが、どうやら曰く付きのようだな
「一階以外」か
この言葉の含み的に二階以外にも何階かあるってことだな
外から見たところ3階はなさそうだ
つまり地下がある
その可能性も踏まえて探索してみよう
もし地下があるとしたらなぜそれを家政婦に伝えなかった?
教える必要がないのかそれとも
知ったらいけない何かがあるのか、か
だとしたらその地下の存在をそもそも知らない方がいいと判断してそう言ったのか
まああくまでも地下があったら、 の話だがな
部屋をでて玄関からみて右の部屋に入った
ここはキッチンか
机も置いてない、作って別の部屋に持っていくのか
金持ちの流儀だかしらんが面倒そうだな
一応武器になりそうなものは持っておきたい
この家の中は絶対安全というわけでもない
どこかで魔物が飛んで出てきたら大変だ
台所を探すと刃こぼれした包丁を見つけた
武器にはなりそうだが、、致命傷は当てられないだろうな
どこかに研ぐものはないかと探してみるも見つからない
代わりとでも言うのかライターを見つけた
だが大分昔のものだ、新しい燃料でも入れればもしかしたら着くかもしれないな
あまりこのライターを使う機会がないことを願おう、、
ここらへんはよく燃えそうなものが多い、燃え広がって俺も死ぬってオチは嫌だからな
あまり目ぼしいものはなかった
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