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はい主です。
まず本当にすいません。
学校鬼ごっこを投稿したつもりが全然投稿できていませんでした。
なので今日は、2話投稿させてもらいます。
教室の隅で小さく震えながら、息を潜めていた。
廊下から聞こえてきたあの悲鳴が、今も耳にこびりついて離れない。
鬼が本当に生徒を殺したのだ。
彼の中で、これが「ただのゲーム」ではないことが確実なものになった。
数分、いや数秒かもしれない。時間の感覚がぼやける中、再び校内放送が響いた。
「1人目の脱落者が出ました。残り時間は2時間です。引き続き、鬼ごっこをお楽しみください。」
冷たい声が淡々と告げる。
生徒たちがパニックに陥ることをあざ笑うかのような響きが、翔太の心に鋭く突き刺さる。
彼は震える手で額の汗をぬぐった。
「どうすればいいんだ…」
心の中で繰り返す言葉は、答えの出ない問いばかりだ。
教室に隠れているだけでは、いずれ見つかってしまうかもしれない。
しかし、廊下に出れば鬼に追われる可能性もある。
その時、ドアが静かに開いた。翔太は反射的に息を止め、ドアの方を見つめた。
そこに現れたのは、クラスメイトの高橋美咲だった。
「坂本…ここにいたのね…」
美咲は肩で大きく息をし、扉を閉めるとすぐに翔太の近くに駆け寄った。
彼女もまた、顔に恐怖の色を濃く浮かべていた。
「大丈夫か?」
翔太は小声で尋ねた。
美咲はわずかにうなずき、震える声で言った。
「藤井くんが…藤井くんが、やられた…」
「藤井が…?」
翔太は言葉を失った。
藤井大輝、彼の明るい友人が、さっきの悲鳴の主だったというのか。
彼は、何とか信じたくない現実を受け入れようとするが、心のどこかで既にその事実を認識していた。
「どうして…どうしてこんなことが起きてるんだ…」
美咲は頭を抱えてしゃがみ込んだ。
「ただのイタズラかと思ってたのに…本当に殺されるなんて…」
翔太は言葉を探しながら、答えを出せずにいた。
自分も同じだ。何が起きているのか理解できないまま、恐怖に追い立てられている。
その時、彼のスマホが再び振動した。
画面には新たなメッセージが表示されている。
「残り人数 9名」
一瞬、何を意味するのか理解できなかった。
しかし、それは紛れもなく事実を告げている。
すでに、藤井を含めた2人が殺されているのだ。
あと何人がこの鬼ごっこで死ぬことになるのだろうか。
翔太は思わず美咲を見つめた。
彼女もスマホを見て、顔を青ざめている。
「どうする? このままここに隠れていても、見つかるかもしれない…」
翔太は震える声で言った。
「…でも、どこに逃げればいいの?」
美咲が不安げに尋ねる。
その問いに答えられる者は誰もいなかった。
校舎のすべての出口は閉ざされている。鬼はゆっくりと生徒たちを追い詰めてくる。
逃げる先はどこにもないかのように思えた。
だが、その時、翔太の頭にふとある記憶が蘇る。
「そうだ…屋上…」
彼は呟いた。
「屋上?」
美咲が訝しげに顔をしかめる。
「俺、前に誰かが言ってたのを聞いたんだ。非常階段を使えば、屋上に出られるって。もしかしたら、外に出られるかもしれない…」
それは確かな情報ではなかったが、今の状況ではどんな可能性にも賭けるしかなかった。
校内をさまようより、屋上に逃げ込む方がまだ希望があるかもしれない。
「行こう。ここにいてもいずれ見つかる。少しでも可能性があるなら、賭けてみるべきだ。」
翔太は決意を込めて言った。
美咲は一瞬迷ったが、翔太の強い視線に押されてゆっくりとうなずいた。
二人は教室のドアをそっと開け、廊下を伺う。
遠くに鬼の気配を感じながらも、慎重に足音を忍ばせ、非常階段の方向へと進んだ。
廊下を進むたびに、彼らの背後に死の気配が忍び寄るのを感じる。
足音一つが、すべての終わりを告げるかのようだった。