黄side
僕はこの国の王子様。
に、なるはずだった。
なれなかった。なぜなら、
病気になってしまったから
長く生きられない王はいらない。
王族が病気なんて、みっともない、恥ずかしいと親戚達に罵られる毎日。
前まではあんなに慕われてたのに。
手のひら返しがすごい。さすが王族。まあ僕もだけど笑
そんななかずっと僕についてくれる執事がいる。
桃くん、僕の好きな人。
好きになってしまった。
みんなに見捨てられた僕救ってくれた恩人。
好きにならないはずがない。
桃くんが僕を好きになる理由は分からないけど、
多分両思い。
だって、好きでもない人のこと助けるわけがないじゃん。
それに桃くん分かりやすいんだぁ〜笑
身体が当たっただけで照れちゃうんだもん。
でもね、結婚も付き合うこともないと思う。
僕が付き合いたくないから。
桃「黄様、起きてますか?」
黄「んっ!おきてる〜」
桃「珍しいですね」(微笑
とってもかっこいいでしょ?
照れ屋さんだけどね笑
桃「朝食はどちらで?」
黄「持ってきて欲しいなぁ、今日ちょっと調子悪くて」
桃「、、、そうですか、分かりました」
僕、寿命が近いんだぁ、、最近はずっとベットにいる。
死ぬことは怖くない。
なんなら早く死にたいよ、こんな酷い人生抜け出して新しい人生を生きたいなぁ
でも、最近は心残りというものが出来てきた。
桃くんだ。
日に日に好きという気持ちが増していってる。
実は桃くんと交際関係になりたくない理由はこれだ。
結婚だとか、子供だとかを考えてしまって、死にたくなくなっちゃう。
死ぬのが辛くなっちゃう。
ゴールすること=幸せ
であることは崩したくない。
最後まで辛い人生なんて嫌だもんね。
桃「ちょっといいですか?」
黄「??、、はい」
夜僕の部屋に桃くんがお話に来た。
なんだろう
僕の頭は、はてなまーくでいっぱいだった。
桃「好きです。あの、執事の立場でこんなこと言えないのは承知の上で、好きです。俺と付き合ってくれませんか?/」
黄「ごめんなさい、」
桃「やっぱりそうですよね、すみません」
黄「あ、」
走り去ってしまった。
目には涙が溜まっていたように見えた。
好きな人からの告白。
とても嬉しいこと。
なのにただ付き合えないというだけで
涙が止まらなかった。
次の日
黄side
寝付けなかった。
桃くんとどのように接すればいいのか分からない。
まだ答えは出ていないのに容赦なく朝は来た。
僕の顔は酷い顔になっているだろう。
隈もあるだろうし、目は腫れていると思う。
どんな姿になっているのか鏡を見たかったが身体が言うことを聞いてくれないんだ。
気持ちは身体に反映するみたいで、ずっと頭がくらくらして吐きそうだ。
今は桃くんに会いたくない。
そんな思いを踏み捻り、ドアが開いた。
桃「朝食です。」
黄「あ、ももくっ((」
桃「では」
やっぱり、避けられてしまった。
これから死ぬまで好きな人に避けられるのはつらいなぁ
でも、心残りが消えたよ。
一応メリットはあるが、
それでも辛いものは辛い。
僕は幸せに死ぬことが許されてないのかなぁ、
神様に嫌われちゃったかなぁ、
前世になにかしちゃったのかなぁ、
なんてネガティブな考えに走っていってしまう。
さっきもいったみたいに気持ちは身体に反映するようで頭のくらくらが増していって僕の意識はそこで途絶えた。
桃くんに避けられ始めてから2週間。
生きた心地がしない2週間だった。
そんな僕、今日は一段と体調が悪い。
桃「失礼します。」
黄「おはよう、」
桃「??、では」
黄「まって、」
いつもなら話しかけずに見送るが、今日は呼び止めた。
なぜなら、さっきから息が荒くて嫌な感じがするから。
どうせ死ぬならこの思いだけは伝えておきたくて
桃「なんですか?」
黄「振っちゃって、、ごめんね?、、」
桃「、、いえ、」
黄「ほんとは、、ね、」
桃「、、」
黄「だ、いッすき、だった、の」
桃「黄様ッ?」
黄「あな、た、とッつき、あうとッ、しにたくなく、なっちゃう、か、ら」
桃「ッッ、、、」(泣
黄「ご、めんッね」
桃「黄、様、、ごめんなさいッ避けてッ、黄様の気持ち気づけなかった、、俺ッずっと、いつまでもッ愛してますっ、」(抱
黄「ぼ、く、もあッ、い、してる、」(微笑
思いを伝えても幸せな死って来るんだね
愛してる、桃くん
桃「黄ー!仕事いってくるなー」
黄「いってらっしゃい!」
桃「あ、そういえばさ、俺達、めっっっちゃ昔に会ったことない?」
黄「ないけど、そんな気するよねっ!、もしかしたら前世でも夫婦だったのかも」
桃「、だといいな!」
黄「うんっ!」
コメント
3件
お話、めっちゃ好きです!! ブグマ、フォロー失礼します! リクエストとかって大丈夫ですか?