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塗れた髪の毛
塗れた服
汚れた顔
「今日もついてないな」
目に今でも溢れそうな涙を抱え
一人の男はそう言った
大雨の中
傘もさしていない俺の体に滴る雨水で
血と泥まみれの顔の汚れが混じり、消えていく
「俺もこんな人生水に流したい。」
雨か涙か分からないが
俺は必死に服で顔を擦りまくった。
学校に行っては同級生に殴られ続ける
いや
あいつらは俺を同級生として見ていない。
あいつらから見ると
俺はもうただの サンドバッグ だ。
今日は泥を顔に付けられ
俺の拒否も聞かず
顔を殴り続ける
「悪魔だ。」
もう俺はあいつらを人間として
見れていなかった
クソ親も顔が良いだけで俺を売りたがる。
母さんは俺を無理矢理店に連れていき
彼氏役に仕立て上げた
「これあたしの彼氏ー♡」
初めて見たときは思わず吐きそうになった。
もう慣れたけど。
父さんはもう帰ってこないだろうな
しらねーけど
「ははっ笑」
呆れて俺は思わず笑ってしまった
帰り道の交差点
車で飛び散る水
「車?」
「今赤信号だよなーーーー
その瞬間
鈍い音と共に
俺の目の前は真っ赤になった。
「?」
「え?」
「あ”……」
「やっと報われ”る”!!!!!!!」
逃げ出したかった
ちょっと急だけどこんな簡単に死ねるなんて
やっと俺は自由だ!
人の叫び声
車のエンジン音
地面に叩き落ちる雨の音
耳鳴りが鳴る中
そこで俺の意識は途絶えた。