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その日の夜。
らぴすは高熱のまま眠っていた。
額には冷却シート。
氷の入った袋も取り替えながら、兄たちは交代で看病をしていた。
心音 「熱は……まだ高いな。」
ロゼ 「さっきより少し上がってる。」
らいと 「水分は少しだけ飲めとる。」
みかさ 「でも食事は無理そうだね。」
メルト 「らぴす……。」
五人とも心配そうに眠るらぴすを見つめる。
眠っているだけなのに、苦しそうな表情は変わらない。
らぴす 「……ん、ッ…。」
らぴす 「……俺のせいでッ……。」
魘されていた。
心音 「違う。」
心音は優しくらぴすの手を握る。
心音 「お前のせいじゃない。」
らぴすは返事をしない。
熱のせいで意識がぼんやりしている。
翌朝。
ロゼ 「39.2度……。」
らいと 「まだ下がらないっちゃね。」
みかさ 「今日は動画撮影は休もう。」
メルト 「もちろん、」
心音 「今日は全員、家にいる。」
誰一人として反対しなかった。
めておらにとって、撮影より大切なのはらぴすだった。
その時。
らぴす 「……ん。」
ゆっくり目を開ける。
心音 「起きたか。」
らぴす 「……しおにぃ。」
声に元気がない。
ロゼ 「水飲める?」
らぴす 「……うん。」
ロゼはストロー付きのコップを渡す。
らぴすは少しだけ水を飲んだ。
メルト 「えらい」
らぴす 「えへへ……。」
少し笑ったものの、すぐに咳き込んでしまう。
らいと 「無理すんな。」
みかさ 「また横になろっか。」
らぴす 「ごめ……。」
五人 「謝らない。」
らぴす 「……。」
思わず苦笑いする。
らぴす 「また言っちゃった。」
心音 「癖だからな。」
ロゼ 「少しずつ直していけばいい。」
らぴす 「……うん。」
その時だった。
突然、らぴすの体がふらりと揺れる。
心音 「らぴす!」
心音がすぐに支える。
らぴす 「……ごめ……。」
また言いかけた、その時。
メルト 「違うでしょ、」
メルトは少しだけ冷たい声で言った。
メルト 「そういうときは『つらい』って助けを求めるんでしょ、」
部屋が静かになる。
らぴすは兄たちの顔を見た。
心音は優しく頷く。
ロゼも。
らいとも。
みかさも。
みんな待っていた。
らぴす 「……。」
小さく息を吸う。
らぴす 「……助けて。」
その一言だけで十分だった。
心音 「もちろん。」
ロゼ 「任せろ。」
らいと 「一人やない。」
みかさ 「俺たちがいる。」
メルト 「だから安心して、」
らぴすの目から涙がこぼれる。
らぴす 「……ありがとう。」
その笑顔を見て、兄たちも安心した。
少しずつ。
本当に少しずつだけど。
らぴすは「一人で抱え込まないこと」を覚え始めていた。
しかし、その日の夕方。
らぴすのスマホに一本の電話がかかってくる。
画面には知らない番号。
らぴす 「……誰?」
恐る恐る電話に出る。
らぴす 「もしもし……。」
電話の向こうから聞こえてきた声に、らぴすの表情が一変した。
??? 「らぴす君、久しぶり。」
その声を聞いた瞬間。
らぴすの手からスマホが落ちた。
心音 「らぴす!?」
らぴすは青ざめた顔で震えながら、小さくつぶやいた。
らぴす 「……なんで、この人が。」
兄たちはすぐにらぴすのそばへ駆け寄る。
新たな出来事が、静かに始まろうとしていた──。
――続く。
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コメント
3件
続き楽しみ𐔌՞⁔•͈ ·̫ •͈⁔՞𐦯⋆꙳
第26話読んだわ。らぴすが「助けて」って言えた瞬間、じわっと来たな。メルトの「そういうときは『つらい』って助けを求めるんでしょ」って台詞が特に刺さった。兄たちがみんな待ってる感じが温かくて、でもラストの電話で一気に不穏になるし、続きが気になりすぎる。毎日投稿お疲れ様です!