12月20日
視力は落ち 、 片腕も完全に麻痺して
ほとんど動かなくなった 。
「もう折り紙も何もできないんだな 、」
彼が贈ってくれた手紙を読むことも
家族や 、友人 . そして彼の容姿を見る事も
全部,できなくなった
脳腫瘍のせいで全部壊れた気がした
「もう嫌だな … 治療なんて 。」
『… 、比賀さん 』
「…、」
聴力はあり、久しぶりに聴いた声が
耳に入る
「三本…くん、?」
『…久しぶり』
「なんで 、。」
『勉強がちょっと落ち着いたから』
「…そっか」
抜け落ちた自分の髪が
見られるなんて 、耐えれない
『…、脳腫瘍…なんだよね。』
「…うん。」
『治療は 、苦しい?』
『苦しい 。とても苦しい』
心がじわじわと締められる
なんで 、好きな人に弱音はいたのだろうか
格好わるいな 、私.
今上手く明るく振る舞えたかな
『クリスマス…もうすぐだよね』
「うん、そうみたい」
今…笑えたかな 、
そんな事がわからないのが1番嫌い
『ねぇ比賀さん …』
「…ごめんだけど三本くん。」
「お見舞い,今日限りにしてくれないかな」
『…なんで?』
「手紙ももう…贈ってくれなくていいから」
「勉強の邪魔,したくなくて。」
『別に邪魔されてるなんて思っていないよ』
『僕は君のことが好きだから』
「…、なにそれ … 、」
「…月遊のこと好きなんじゃないの、?」
『え…?』
「つゆといつも話してるじゃん…楽しそうに」
あまりにも辛い .
なんでこんなこと言ったのだろうか
本音じゃないのに 、なんで _
『…僕のことは…嫌いなの?』
「…、」
『あの手紙のやつ…嘘だったの?』
〝海が綺麗ですね〟
そう手紙に書いたのは覚えてないはずがない
「あれは… その 、」
『嫌いなら 、無理にあんなこと書かなくて良い話でしょ…』
「ごめん…ほんと、ごめん」
「さっきのは本音じゃな _ 」
謝ろうとした途端,
『もういいよ 。 君がそう 望むなら』
『お見舞いに来るのは今日限りにする』
「…っ、 。」
『僕がやったこと無駄だったんだ 。』
『君には…迷惑だったんだ 。』
「…、ごめん…三本、くん」
『最後に.1つ言わせて欲しいことがある』
「…なに、?」
『虹が綺麗ですね』
「それって …どう言う意味… 、?」
『…どんな意味なんだろうね』
『じゃあ、僕帰るね.』
「…ばいばい 、」
病室にはまた静けさが戻って
1人寂しく
布団の中へと潜り込んだ
コメント
6件
こういう隠語?での告白大好き。たくさん知れたわありがとう そしてまさかの来ちゃうとは、w本音ぶちまけるのも大好き ♡( ᵕωᵕ♡ )
よりによってクリスマス前で恐らく時間が残されていないという状況で絶望的なまでにすれ違うの何気にえぐい。あとそんな意味あったんだ、全然知らんかったけどすごく綺麗だな
あぁぁぁぁぁすれ違いがッッッ! お客様すれ違いが発生しておりますお客様ぁぁぁぁッッッッッ”ッッ!(´;ω;`)