prtg.ᐟ.ᐟ.ᐟ 定期的に書きたくなる笑
ではどうぞ
『春の手紙』
tg視点
卒業式の翌日、教室にはもう誰もいなかった。
窓の外では、春の雨が静かに降っている。
濡れた校庭を見下ろしながら、俺は自分の机の引き出しをゆっくり開けた。
そこで見つけた、白い封筒。
表には「ちぐへ」とだけ書かれていて、すぐに誰の字かわかった。
あたたかくて、どこか不器用な――ぷりちゃんの字。
喉の奥が苦しくなる。
そんなもの、今さら見つけたくなかったのに。
けれど、手は勝手に動いていた。
封を開け、中の手紙を広げる。
そこには、あの日、言ってほしかった言葉が並んでいた。
ちぐへ
この手紙、お前が読むころには、俺はもうこの学校にはおらんと思う。
ちぐ、俺はずっとお前が好きやった。
最初は、気が利くええ後輩やなって思っとっただけやったのに、
気づいたら、お前と一緒におる時間が一番幸せやって思うようになってた。
毎日一緒に帰るのが当たり前になって、
お前の声を聞くたび、笑顔を見るたびに、胸がぎゅってなった。
せやけど、俺はずるかった。
言われへんかった。
言ったら、今までみたいには戻られへん気がして。
卒業して離れる前に、ちゃんと気持ち伝えたかった。
けど、目の前のお前を見たら、やっぱり言えんかった。
ごめんな、ちぐ。
ほんまは、最後まで言いたくなかった。
でも、心にしまったままじゃ、前に進めへんから。
俺は、お前のことが大好きやった。
元気でな。
俺の、大事なちぐへ。
──ぷりっつ
その文字を目で追うたびに、心の奥がじんじん痛んだ。
もう聞くことのできない声で、ぷりちゃんがそこにいた。
tg ……ずるいよ、っぷりちゃん
涙が頬を伝う。止まらない。
ずっと、分かってた。
優しすぎる手、さりげない気遣い、目をそらして笑う横顔――全部、気づいてた。
でも、怖かったんだ。
もしこの関係が壊れてしまったらって。
大好きな人と、もう笑い合えなくなったらって。
だから、俺も言えなかった。
tg …俺も、っずっと……ずっと、っ好きだったのに…
届かない言葉を、小さな声でこぼす。
もうその気持ちは、ただ春の雨の音に溶けて消えていくだけだった。
終わり.ᐟ.ᐟ
もしかしたら続きあるかも.ᐟ.ᐟ
続き見たい方はコメントと♡お願いしまーす.ᐟ.ᐟ
リクエストある方もコメント欄にお願いしまーす.ᐟ
コメント
2件
最高でした😭👏✨ もしよろしければ続き書いて欲しいです( ゚д゚)ホスィ… 次回も楽しみです🎶