前の話の続き.ᐟ.ᐟどうぞ.ᐟ.ᐟ
『春の答え』
tg視点
春の風が吹いて、桜がふわふわと舞ってる。
駅前の並木道には、花びらのカーペットができてて。
俺は、その中を走ってた。
スマホに届いた、たった一通のLINE。
“今、駅前の桜並木にいる。ちぐに渡したいもんがある。”
送ってきたのは、ぷりちゃん。
俺がずっと、大好きだった人。
あの日の手紙を読んで、泣いて、泣いて、でももう終わったと思ってたのに――
tg ……ぷりちゃんっ!
並木道の先、背を向けて立っていた人が、俺の声に振り向いた。
pr……ちぐ、来てくれたんか
その笑顔を見た瞬間、胸の奥がぎゅって締めつけられた。
ほんとに、また会えたんだって――涙が出そうになった。
tg 来るに決まってるじゃん…ぷりちゃんに、会いたかったんだから…!
pr そっか……ほな、ちょっとええか、ちゃんと話させて
ぷりちゃんが、ゆっくり俺の方へ歩いてきて、そっと手を握ってくれた。
あったかくて、大きな手だった。
pr ちぐ、手紙……読んでくれたんやな
tg うん……読んだよ、泣いた、いっぱい…ずるいよ、ぷりちゃんだけ、気持ち伝えて逃げようとして
pr 逃げてへん……けどな、俺も正直、あんな手紙書くんめっちゃ怖かった
tg 俺も……怖かったよ、好きって言って、嫌われたらどうしようって
tg でも、言いたかったの。ほんとは、俺もずっと……ぷりちゃんのこと、好きだった
pr …ほんまに?
tg ほんと。嘘ついてるように見える?
涙ぐみながら、ぷりちゃんの目を見つめると、
彼はふっと目を細めて笑った。
pr ……見えへんな。ちぐは嘘つかん顔しとる。かわええ顔して
tg なっ…!い、いきなりそういうこと言わないでよ…!
俺が顔を赤くして抗議すると、ぷりちゃんはくすっと笑った。
その顔が、ずっとずっと見たかった顔だった。
pr なあ、ちぐ、俺ちぐのこと…これからも、ずっと大事にしたい
pr 一緒におってくれへんか?
tg …うん、俺も、ずっと隣にいたい。ぷりちゃんの、恋人として
手をぎゅっと握り返した。
もう怖くない。ちゃんと伝えられたから。
pr はぁ…ようやく言えたなぁ。もー、ここまで長かったでほんま
tg ……それは、お互いさま、でしょ?
風が吹いて、桜の花びらがふたりの間を舞った。
その一枚が、そっと髪に触れたとき――
ぷりちゃんが優しく、俺の前髪を払ってくれた。
そして、ひとこと。
「好きやで、ちぐ」
tg ……俺も、だよ。ぷりちゃん
こうして、止まってた春が、ちゃんと動き出した。
桜が咲くたびに、きっと俺たちは思い出すんだ。
最初の春と、伝えられた言葉と、繋いだ手のぬくもりを。
終わり.ᐟ.ᐟ
リクエストある方いれば、コメント欄にお願いしまーす.ᐟ
コメント
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すきだぁぁぁぁぁ、 片思い→両思い とかどぉ〜?