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「部屋は寝室を含めて五室でして、リビングルーム、キッチン、浴室とひと通り揃ってございます」


とにかく、広さの解放感と、床から家具、壁も照明も何から何まで、全ての高級感が凄い。

なのに、豪華なだけではなくて。


全体的に落ち着いた雰囲気で、気が休まるのは色合いが良いからだろうか。

リビングの絨毯は明度違いのグレーを基調としていて、壁はオフホワイトと薄いグレーが調和している。


ワインレッドの大きなソファにオットマン、ふかふかのクッションたち。

大理石を天板にしたテーブル。

寝室には淡いグリーンが要所に差し込んであって、安心感がさらに増した感じがする。

そしてクイーンベッドが二台と、フットベンチ。


広さはあるけれど、寝室は広過ぎないようにしてあるのかもしれない。

基本を押さえて、特別でありながら日常感がどこかにある。

これはさすがに、一度は泊まってみたいホテルだと、誰もが思うだろう。



「特別を日常に。をコンセプトにしております。お気に召すと良いのですが」

「は、はい。とっても……とっても素敵です」

完璧な紳士は、心から安堵したような微笑みを見せた。


「全部ステキ~! ねぇサラ! この高さでも噴水届いてるぅぅ」

掃き出し窓くらいの大きな窓に際まで寄って、リザは噴き上がって来た水のアートを楽しんでいる。


「そちらもエレベーターと同じく、現在の最高技術を用いたもので当ホテル自慢でございます」

部屋は好みがあるから謙虚に構えていて、けれどそういったものは、しっかりと自慢だと伝えるのは好感度が高い。

――って、お金を払っているわけでもないのに、生意気なことを考えてしまった。



「そしてもう一つ。こちらは好みが分かれる所なのですが……」

彼はそう言って、いつの間にか手に持っていたリモコンをこちらに見せ、そして真ん中のボタンを押した。

すると、この部屋の壁と床を除いた全て――外壁部分と天井が、消えた。


「壁が無くなった訳ではございませんので、ご安心ください」

「うわわわ」

「え~~すごぉい」


私たちは、シェナも含めて全員が飛べるので、恐怖はない。

けれど、何の力も使わず、地に足をつけた状態でこの景色というのは、目を見張るものがあった。



「と、このように、空中ホテルならではの展望をご提供しております」

星空と、水平方向の景色は全て、私たちだけのものになった。

この部屋が最上階で、そして一室しかないらしい。

と言っても、高層ビルは他にもあるので、遠くから覗かれないように気を付けないといけないけれど。


「言い忘れておりましたが、外からはマジックミラーのように、こちらを見られる心配はございません。光学迷彩のように、と言った方が伝わり易いでしょうか」

「なるほど……最新技術、ですか?」


「ええ、でもこれは、十年も前からございました。当時にこれを知り、当ホテル唯一の部屋のコンセプトを思い付いたのです」

「……そういう技術で、戦争も増えたのですか?」


やっと、一番聞きたいことを聞けるタイミングになった。


聖女級の治癒力でも、魔族だとバレるのはよくないようです ~その聖女、魔族で魔王の嫁につき~

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