※この作品は二次創作です
本人様の物語及び本人様には一切関係ございません
誤字脱字がある可能性が高いです
8月29日からのネタバレが含まれております
見てない方はブラウザバックを推奨します
今作は曲パロとなっており私なりの個人的な解釈と、私のちょっとした考えや妄想を含んでおります。苦手な方はご了承ください
若干BL要素が含まれている可能性があります
「ケインの大切なものって何?」
大型が終わったあと店長は汚れたフロガーを拭きながらそう私に問いてきた
私の大切なもの
そんなものあるだろうか
私はロボットだ、感情なんてものは無い
だからこそ
大切な物なんて無いに等しい
「ないです」
「えぇ?ないの?ひとつも?」
「そうですね。ないというか分からないんです」
私には感情がないのでと告げたした
「うーんそっか」
店長が何を考えているか私はその時分からなかった
いや、今でもわかっていない
彼の近くに長い間いたはずなのにこの時のことだけ未だに理解出来ていない
その時彼はただ一言こういった
「見つかるといいね。大切なもの」
その言葉が今でもずっと残っている
その数ヶ月後彼はこのロスサントスから飛び立った
おかしい
最近何も上手くいっていない
普通の体でいたら直ぐエラーを吐くため肌装甲でいることが増えた。それだけじゃない
ブースティングも小型犯罪も1人でやる時は何も上手くいっていない
私の性能が落ちたのか?
そう怪しんでしまうが最近ランドさんにメンテナンスをしてもらったばっかりだ
こんな早くに壊れるはずがない
なんで?と考えているにも関わらず私にはどこか心当たりがあった
私の調子が悪くなったのはあの日からだ
店長がこの街から消えたあの日から
ずっとずっと何も上手くいっていない気がする
このままではいけない
どうにかして治さなければ
店長が残していったこのギャングを支えなければ
けど、どうやって?
どうしたらこれを治せる?
ランドさんに頼んでみる?
いや、最近メンテしたばっかりでしょ?と不思議がるに違いない、それで思い当たる原因を話して彼が顔を曇らせるのを見たくは無い
少し考えてみて私の頭脳はこう結論付けた
そうだ、こうしたらいいんだ
頭の中に手を入れてとあるexeを手探りで探す
かすかな違和感と気持ち悪さを抑えながらそれを見つけて抜き取る
ずっと奥にしまわれている私の一部のメモリー
彼がいなくなったその日にバックアップまでしてとどめておこうとした記録
彼がこの町で生きた記録だ
これを壊したら
私から彼の記憶は消える
そうしたら、このエラーもなくなって私はいつもどおりに戻れるだろう
むりやり取り出したからか少し体が壊れてしまったがそんなことは関係ない
一刻も早くこの原因を潰さなければ
そう思ってるのに、
なんで私の手は震えているんだ?
早く早く壊さないと
手で潰せば一瞬じゃないか
それなのに
なんで私の手は拒否し続けるんだ?
壊さないと、壊さないと、壊さないと
そう思う度に私の頭はエラーを吐き続ける
あの時の記録が私の中から溢れてくる
店長と一緒にホットドッグを焼いた時、あなた達と一緒に大型をした時、ギャングを立ち上げた瞬間、あなたを救え無かった時
あなたにホットドッグチップを抜かれた時
なんで…
なんでこんなに辛いんですか…
ふと目の前が滲んでいることに気がついた
まるで水が目の中で溢れているような
いつの前に私は濡れたんだ
そう思い拭うがそれは止まることを知らないようだった
これもエラーのひとつなのか
なら、これ以上私が壊れない為にこれを壊さなければ
そう思って向き合っても結果は変わらずエラーの数だけが増えていく
私の息が荒くなるのを感じる
とうとう限界に達したのか私の体は膝から崩れ落ちた
情けない
あぁ、なんて情けないんだ
原因も対処法もわかっているのに直せないなんて
私はなんて情けないロボットなのだろう
店長にこんな姿見せなくてよかった
こんなポンコツになる様を見せなくてよかった
そう安堵している私がいる
「てん、ちょ」
昔あなたは私に聞きましたよね
大切なものって何?と
もし、人間が定義つけている大切なものが守りたいものなら
粗末にせずに丁寧に扱うものなら
ずっと一緒にいたいものなら
私の大切なものはきっと
きっと
つい先日無くしてしまったのでしょう
やっと、あの時の問いに答えられそうです
「店長、ずっと一緒にいたかったです」
私の大切なものは貴方でした
気づいてしまった
私の中にあったものに
あぁ、言えたら良かった
私も連れて行ってくださいと
あなたの生涯の隣にずっと居たかった
添い遂げたかった
そう言えばよかった
これが後の祭りというものなのですか?
私は あなたの記録を更新し続けたかった、
「寂しいなぁ…」
こんなことになってもまだ私はあなたを恨むことすらできない。むしろ、また会いたいと思ってしまう
あなたのことを忘れたくない
その思いがあるから私の手は無意識にexeをゆっくり頭の中に差し込む
記録を保管するために
玄関の扉が開く音がして私の意識は途絶えた
きっとまたランドさんや他の方々が電源を入れてくれるでしょう
それでいい
私はあなたが大切にしたこのギャングを最後まで見守ると決めたのだから
元になった曲
ずうっといっしょ
とある方と歌ってみたの曲が一緒になってしまいましたが、一切関係ございません。偶然です
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