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おしりのはなしです
ヨコハマの喧騒が遠く、防音性に優れた高層マンションの一室。そこには、外部の血生臭い抗争も、組織の重圧も届かない。ただ、遮光カーテンの隙間から滑り込む月光と、加湿器の微かな稼働音だけが、この部屋が「生活の場」であることを証明していた。
二十二歳。かつて「双黒」と呼ばれた少年たちは、それぞれの道を歩みながらも、夜の底では一つの寝床を共有している。中原中也は、ベッドに横たわる太宰治の背中を、静かな熱を孕んだ瞳で見つめていた。
太宰という男は、一見すれば柳のように細く、頼りない印象を与える。しかし、実際にその肌に触れ、服の下に隠された肉体を知る中也にとって、彼は極上の造形物だった。特に、中也が異様なまでの執着を見せているのは、太宰の臀部である。
「……中也、さっきから視線が痛いよ。私の背中に穴でも開けるつもりかい?」
太宰が寝返りを打たず、枕に顔を埋めたまま、くぐもった声で笑う。その細い腰から、なだらかな曲線を描いて膨らむ臀部。シーツの白さと、太宰の透き通るような肌の白さが混ざり合い、芸術品のような陰影を作り出していた。
中也は無言のまま、大きな掌をその曲線へと滑らせた。
「ひゃっ……!」
太宰の背中が跳ねる。指先が柔らかな肉に触れた瞬間、太宰の喉から可愛らしい悲鳴が漏れた。中也は、自分の好みが世間一般から見て少々偏っている自覚はある。だが、太宰のここは、彼にとっての聖域であり、同時に最も効率的にこの男を支配できる急所でもあった。
「いいだろ、減るもんじゃねぇ。……っつーか、お前、今日は一段と反応が良いな」
中也の低い声が、太宰の耳元を揺らす。中也の指は、ただ撫でるだけではなく、その肉の厚みや弾力を確かめるように、ゆっくりと、しかし確実に力を込めて揉み解していく。
太宰の臀部は、痩身な身体つきに反して、驚くほど柔らかく、吸い付くような弾力を持っていた。指を沈めればどこまでも沈んでいきそうな感触。中也はその質感に、理性が溶けるような感覚を覚える。
「あ、ん……やめ、て……中也、そこは……っ」
太宰が身悶えし、シーツを強く掴んだ。太宰治という男は、全身が性感帯のような過敏さを持っているが、特にこの部分は別格だ。中也がそこに触れ、掌全体で包み込み、指を食い込ませるたびに、太宰の瞳は潤み、呼吸は浅くなっていく。
中也はわざと、左右の肉を左右に割るように、中心へと指を滑らせた。繊細な粘膜の入り口が、中也の指先を 迎えるように微かに震えている。
「やめろ、なんてツラしてねぇぞ、太宰。ここ、ぴくぴく動いてやがる」
「うるさ……い。君が、変な触り方をするから……」
太宰は顔を赤く染め、抗議の声を上げるが、その声には力がこもっていない。中也は、太宰の腰を片手でしっかりと固定し、もう片方の手で、その柔らかな膨らみをこれ以上ないほど丁寧に愛撫した。
中也のこだわりは強い。ただ柔らかいだけでは足りない。そこには適度な張りと、指を弾き返すような生命力が必要だった。二十二歳になり、少年の幼さが抜けた太宰の肉体は、今が最も完成された状態にあると中也は確信している。
中也の指が、太宰の臀部の下側、太腿との境目にある柔らかな溝をなぞる。そこを軽く抉るように刺激すると、太宰は「あぁっ!」と声を上げ、腰を大きく反らせた。
「は、ぁ、は……、ちゅ、や……苦しい、変な感じに、なる……っ」
「変な感じ、じゃねぇだろ。気持ちいい、だ。正直に言えよ」
中也は、太宰の臀部に顔を埋めた。鼻先を掠める、洗いたての石鹸の香りと、太宰自身の甘い体臭。中也はその柔らかな肉に歯を立て、軽く跡をつける。マーキング。この男は自分のものだと、細胞一つ一つに刻み込むような作業だ。
太宰は、中也の執拗な愛撫に、もう抗うことを諦めたようだった。ただ、中也の手のひらがもたらす熱に身を委ね、甘ったるい吐息を漏らし続ける。中也が両手でその肉を掴み、力強く揉み上げると、太宰はシーツに顔を押し付け、快楽に耐えるような表情を見せた。
「……中也、君は本当に……そこが好きだね」
「あぁ。世界一、いい形してる。触ってて飽きねぇよ」
中也の言葉は本心だった。彼にとって、太宰の臀部は単なる身体の一部ではなく、彼への愛情の集約地点のようなものだ。柔らかく、温かく、そして自分だけがその反応を独占できる場所。
中也はゆっくりと、太宰の足を広げさせた。晒された秘密の場所は、中也の指の動きに合わせて、期待と恐怖を孕んで震えている。中也は、自身が感じている昂ぶりを隠そうともせず、太宰のその場所に、熱い唇を寄せた。
「っ……、中也! それは、だめ……っ!」
「だめじゃねぇよ。お前、もう準備できてんだろ」
中也の舌が、その繊細な場所に触れる。太宰は弾かれたように跳ね起きようとしたが、中也の強力な腕に押さえ込まれ、再び沈められた。逃げられない。逃がさない。この狭い寝室の中では、中也のルールがすべてだった。
中也の舌が、中心から円を描くように、周囲の柔らかな肉を舐めとっていく。太宰は、かつてない刺激に頭を振って拒絶しようとするが、身体は正直に、中也の愛撫を求めて熱を帯びていく。
「あ、ぁぁ……っ、ひ、あ……、中也、中也……!」
名前を呼ぶ声が、快楽によって途切れ途切れになる。中也は、太宰の臀部を両手で力いっぱい左右に割り、その光景を目に焼き付けた。赤く充血し、自らの愛撫によって濡れそぼった太宰の肢体。これこそが、中也が渇望してやまない最高の景色だった。
「太宰、目ぇ見てろ。俺が今、どこをどうしてんのか……全部感じろよ」
中也は太宰の腰を持ち上げ、背後から自分の方へ引き寄せた。太宰は四つん這いに近い姿勢になり、その自慢の臀部が、中也の目の前に突き出される形になる。羞恥心に顔を伏せる太宰の耳元で、中也は愉しげに笑った。
「見て、ほら……こんなに欲しがってるぞ」
中也の指が、深く、奥まで潜り込む。太宰は声を上げる余裕もなく、ただ激しく身を震わせる。指が抜かれるたびに、粘膜が吸い付くような音が、静かな室内に響き渡った。
中也のフェティシズムは、単なる視覚的な好みを超えていた。触れた時の温度、押し返してくる圧力、そして何より、そこを攻めた時に見せる、太宰の無防備なまでの「弱さ」に、彼は支配欲と愛着の頂点を見出していたのだ。
「……っ、も、う……無理……。中也、早く、入れて……」
太宰が、ついに折れた。自尊心の塊のような男が、快楽の波に抗えず、自ら穿たれることを請い願う。中也にとって、これ以上の甘美な誘い文句はなかった。
中也は自らの熱を、太宰の最も柔らかい場所に押し当てた。太宰の身体が緊張で固まるが、中也は優しくその臀部を撫で、緊張を解きほぐしていく。
「あぁ、すぐ楽にしてやる。……愛してるぜ、太宰」
中也がゆっくりと腰を沈めると、太宰は悲鳴に近い喘ぎ声を上げ、中也を迎え入れた。その瞬間、中也を包み込んだのは、想像を絶する熱と、吸い付くような肉の壁だった。
太宰の臀部は、結合した後もなお、中也に最高の快感を与え続ける。中也が動くたびに、柔らかな肉が波打ち、彼の動きを増幅させる。太宰は中也の肩に腕を回し、縋り付くようにしてその衝撃を耐えていた。
「は、ぁっ、あ、あぁ……! 中、也、すごい……これ、おかしくな、る……っ!」
「俺もだ……。お前のここ、最高すぎる……」
中也のストロークが速くなる。太宰の臀部が、中也の下腹部とぶつかり、鈍い音が幾度も響く。その音すら、中也にとっては最高の旋律だった。
太宰の意識は、既に快楽の彼方に飛び去ろうとしていた。視界は白く霞み、ただ中也という存在だけが、自分をこの世に繋ぎ止めている唯一の錨のように感じられた。中也の指が、太宰の腰骨を強く掴み、その指先が食い込む痛みさえも、愛の証として受け入れてしまう。
中也は、最後の一押しを前に、太宰の耳元を甘く噛んだ。
「太宰、お前のここは、俺だけのもんだ。誰にも見せんなよ」
「……当たり前、だろう……。君以外に、こんなこと……させるわけ、ない……」
太宰の、本音の告白。それを聞いた瞬間、中也の中で何かが弾けた。
中也は、太宰の柔らかな臀部を力強く掴み、最後の最奥まで自分を突き立てた。太宰は仰け反り、音にならない叫びを漏らしながら、中也の熱をすべて受け止めた。
二人の呼吸が重なり、やがて静寂が戻ってくる。中也は、まだ震えている太宰の身体を後ろから抱きしめ、その柔らかな臀部に顔を寄せた。
「……中也、重いよ」
「うるせぇ、少しはこうさせろ」
太宰の不平は、いつものように甘えた響きを含んでいた。中也は、満足感に浸りながら、再びその柔らかな肉を愛おしそうになぞった。
この場所がある限り、この男が自分の腕の中にいる限り、中也の渇きが癒えることはない。二十二歳の夜はまだ長く、二人の同棲生活は、これからもこの濃密な愛撫とともに続いていく。
「……また、そこ触ってる。本当に、飽きないんだね」
「あぁ。明日も、明後日も、死ぬまで触ってやるよ」
中也の誓いに、太宰は小さく笑い、その大きな掌に自分の手を重ねた。月光に照らされた寝室で、二人の影は溶け合い、一つになっていた。
それから数時間。中也の腕の中で眠る太宰の寝顔を見つめながら、中也はまだ、その指先に残る柔らかな余韻を反芻していた。太宰が時折、眠りの中で無意識に腰を揺らすたび、中也の胸には言いようのない愛しさが込み上げる。
かつての彼らなら、こんなふうに穏やかな夜を過ごすことなど想像もできなかっただろう。殺し合い、憎み合い、背中を預け合いながらも、決して相容れない平行線を辿っていた二人。それが今、こうして一つの布団の中で、最も無防備な姿を晒し合っている。
中也は、太宰の腰に回した腕に力を込めた。太宰の臀部が、中也の太腿にぴたりと密着する。その温もりが、中也にとっての「生」の実感だった。
太宰という男は、常に消えてしまいそうな危うさを孕んでいる。だが、こうして直接その肌に触れ、その質量を感じている間だけは、彼がどこにも行かないのだと確信できる。
中也は、太宰の項にそっと唇を寄せた。
「おやすみ、太宰」
小さな呟きは、太宰の耳に届いたのか、彼は夢心地の中で「ん……」と短く応えた。
ヨコハマの夜は更けていく。明日になれば、またマフィアの幹部としての、あるいは探偵社の社員としての「表の顔」に戻る二人だが、この部屋の、このベッドの上だけは、ただの中原中也と太宰治でいられる場所。
中也は、再びその柔らかな曲線に指を這わせ、安らかな眠りへと落ちていった。彼にとって、これ以上の安らぎはこの世のどこにも存在しなかった。