テラーノベル
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#太受け
#文豪ストレイドッグス
リア友からのリクエスト!
個人的に女体化太宰はBカップくらいであってほしいという切実な(?)願いは無視して、太宰の胸をDカップくらいにして書きました。
私は認めませんよ・・・181cm67kgの男が女体化したら巨乳になるなんて・・・っっっ泣(だったら書くなって話)
朝の光がカーテンの隙間から差し込み、寝室の空気を白く染めている。
中原中也は隣で眠る恋人、太宰治の肩を揺り動かした。指先に触れる肌は陶器のように滑らかで、それでいてひどく薄い。まるで力を込めれば簡単に折れてしまいそうな危うさが、そこには常に付きまとっている。
「おい、太宰。起きろ。朝飯だぞ」
「……ん……。あと五時間、いや、五世紀は寝かせておくれよ中也……」
太宰はシーツを頭から被り、芋虫のように身をよじって逃げようとする。だが中也は容赦なくそのシーツを剥ぎ取った。
剥き出しになった太宰の体躯を見て、中也は微かに眉を寄せる。
太宰治という女は、昔から食が細い。放っておけば蟹の缶詰一つで一日を過ごしかねないし、何なら睡眠だけで栄養を補填しようとする節がある。もともとモデルのように細い肢体は、同棲を始めて中也が食事を管理するようになってからも、劇的に肉がつくことはなかった。
だが、最近の中也には確信していることが一つある。
(こいつ、間違いなく以前より……その、柔らかくなってる。特に胸のあたりがな)
中也だけが知っている事実だ。毎夜、その細い体を抱き寄せ、掌で愛撫している彼だからこそ気づく変化。指を沈めた時の跳ね返り、掌に余る重み。それは決して「太った」という醜い変化ではなく、女性としての成熟、あるいは単なる成長によるものだった。
しかし、本人は全く別の解釈をしているらしい。
「……はあ。中也、私決めたよ」
ようやく上体を起こした太宰が、溜息混じりに宣言した。
「何をだ」
「ダイエット。今日からしばらく、食事制限と運動を始めることにする」
中也はキッチンへ向かおうとした足を止め、信じられないものを見るような目で太宰を振り返った。
「……はあ? 今なんて言った?」
「だから、ダイエットだよ。最近どうも体が重い気がするんだ。階段を上る時も、以前より重力を感じるというか。これは由々しき事態だ。このままでは私の『儚げな自殺志願者』というブランドイメージが崩れてしまう」
「お前のブランドイメージなんて知るか。それよりダイエットだと? 鏡を見たことねえのか、手首なんて俺の指三本で回るじゃねえか。これ以上どこを削る気だ」
「中也にはわからないんだよ。女心というものは繊細なのさ。事実、体重計の数字は増えていた。嘘偽りない現実としてね!」
太宰はベッドの上で拳を握り、悲劇のヒロインさながらに訴える。
中也は呆れ果てて吐息をついた。数字が増えたのは、お前の不健康な脂肪が増えたからじゃねえ。お前の体が女として完成されつつある証拠だろうが。……とは、口が裂けても言えない。それを言えば、この天邪鬼な女は余計に意識して、自分の体を見るのを避けるか、あるいは中也の視線を過剰に気にして逃げ出すに決まっている。
「とにかく、朝飯は食え。作ってあるんだ」
「いらない。今朝は白湯だけで十分……ひゃっ!?」
太宰が言い切る前に、中也はその細い腰を片腕で抱え上げた。
「暴れるな、落とすぞ」
「離したまえ! 私は今、空腹という名の修行に入っているんだ!」
「修行の前に栄養失調で倒れられたら、首領に俺が絞め殺される。いいから食え」
リビングのテーブルには、湯気を立てる味噌汁、脂の乗った焼き鮭、出汁巻き卵、そして炊き立ての白米が並んでいる。
太宰は椅子に座らされると、目の前の御馳走を恨めしそうに睨みつけた。
「中也、君は悪魔かい? ダイエット中の乙女の前にこんな暴力的な香りを突きつけるなんて」
「いいから黙って口動かせ。ほら、鮭。皮のところが一番美味えんだよ」
「嫌だね。私は断固として拒否する。……あーん」
結局、中也に箸で突きつけられると、太宰は抗いきれずに口を開けてしまう。もぐもぐと小動物のように咀嚼するその頬は、中也から見ればまだまだ肉が足りない。
「……美味しい」
「だろうな。俺が作ったんだからよ」
「中也の料理が美味しすぎるのがいけないんだ。これは君の責任だよ。責任を取って、明日からは私の食事をこんにゃくとゼリーだけにしてくれたまえ」
「寝言は寝て言え。ほら、次は卵焼きだ。出汁を多めにしてある」
「もう! 中也のバカ! ……あーん」
結局、太宰は朝食を完食した。本人は「中也の圧力に屈した」と不本意そうな顔をしているが、満足げな喉の鳴らし方までは隠せていない。
その日の夜、任務から帰宅した中也を待っていたのは、リビングで奇妙な動きをしている太宰だった。
太宰はヨガマット(どこで買ったのか)の上で、必死に脚をバタつかせて腹筋のような運動をしている。
「……何してんだ、お前」
「ふっ、はっ……見ての通りだよ。カロリーを、燃焼……させているのさ……!」
額に汗を浮かべ、乱れた髪を振り乱して運動する太宰。シャツの襟元がはだけて、白い胸元が露わになっている。
中也はそれを見て、無意識に目を逸らした。
太宰自身は、自分の体の「重み」の原因がどこにあるのか、本当に気づいていないらしい。以前よりも少しだけ張りの出た胸が、運動の動きに合わせて揺れている。それは中也にとって、毒よりも有害な刺激だった。
「おい、もうやめとけ。そんな急に動いたら心臓に悪いだろ。ただでさえ貧血気味なんだからよ」
「うるさいなあ。君は私のこの……この、脇腹の肉が気にならないのかい!?」
「ねえよ、そんなもん! どこをどう見たら肉があるんだよ!」
中也は歩み寄り、無理やり太宰の動きを止めた。そのまま床に座り込む太宰の横に腰を下ろす。
「いいか、太宰。お前は痩せすぎなんだ。今だって、ちょっと強く抱きしめたら折れそうで、俺は毎日ヒヤヒヤしてんだよ」
「それは君が怪力なだけでしょ。……でも、本当に数字は増えていたんだよ。中也には嘘をついていない」
太宰は膝を抱え、少しだけしょんぼりとした顔で呟く。
「私はね、中也に愛想を尽かされたくないんだ。不恰好に太った私を見て、君が『幻滅した』なんて言い出すのを想像するだけで、入水する気力も失せるくらいにはね」
その言葉に含まれた、冗談めかした、しかし切実な本音。
中也は一瞬、言葉に詰まった。この女は、頭が良すぎるくせに、自分の価値や自分の体の美しさに関しては、驚くほど盲目な時がある。
中也は大きな溜息をつき、太宰の肩を引き寄せた。
「……あのな、手前。俺がそんな理由でお前を嫌いになると思うか?」
「思うよ。君は美意識が高いからね」
「バカ言え。俺の美意識に一番適ってるのが、お前だろうが」
中也は太宰の耳元で囁き、そのまま優しく彼女の体を押し倒した。ヨガマットの上に、太宰の華奢な体が沈み込む。
「中也、まだ運動の途中……」
「運動なら、今から別の方法でさせてやるよ」
中也の手が、太宰のシャツの裾から滑り込んだ。
肋骨の浮き出た腹部を通り、さらに上へと這い上がる。太宰が「あ……」と小さな声を漏らした。
中也の掌が、その膨らみを包み込む。
やはり、間違いない。以前よりも確実に、掌に収まる質量が増している。それは柔らかく、熱を持ち、中也の指を受け入れていた。
「っ……中也……そこは……」
「太宰。お前、自分がどこで重くなったか、本当に自覚ねえのかよ」
中也はわざと、その部分を少し強く揉みしだいた。
「……ひ、ゃ……っ。何を、言って……」
「ここだよ。ここ。……お前、前よりデカくなってんだよ。数字が増えたのは、その分だ」
直球すぎる指摘に、太宰の顔が一気に林檎のように赤くなった。
「え……? な、何……? そんな、バカな……」
「バカなことあるか。毎日抱いてる俺が言ってんだ、間違いねえよ。お前、自分の体の成長にすら気づかねえほど節穴なのか?」
「だって、そんな……私、もう成長期なんて疾うに過ぎて……」
「女は変わるんだよ。生活が安定して、ちゃんと食って、寝て……愛されてりゃな」
最後の一言は、中也にとっても少し気恥ずかしいものだった。彼は視線を逸らしながらも、太宰の胸から手を離そうとはしなかった。
太宰は呆然とした顔で、自分の胸元に置かれた中也の大きな手を見つめている。
「……本当に、そこが原因なのかな」
「そうに決まってんだろ。他は相変わらず骨っぽくて、見てるこっちが不安になるくらいだ」
中也は太宰の額に軽くデコピンをした。
「だから、変なダイエットなんて二度とするな。飯も残さず食え。お前がこれ以上細くなったら、俺が寝てる間に抱きしめただけで壊しちまいそうで怖えんだよ」
中也の低い、しかし慈愛に満ちた声に、太宰の瞳が微かに潤む。
彼女は自分の手で、中也の手の甲を上から押さえた。
「……中也は、今の私の方が好きかい?」
「……当たり前だ。前も好きだったが、今の方がもっと……その、女として、いい体になってると思うぜ」
「ふうん。……中也がそう言うなら、仕方ないかな」
太宰はふっと、いつもの飄々とした笑みを浮かべた。だがその頬はまだ赤い。
「じゃあ、ダイエットはやめることにしよう。その代わり、中也」
「あ?」
「今夜は、たっぷり『運動』に付き合ってもらうよ。中也が言ったんだからね。責任、取ってくれるだろう?」
太宰が誘うように中也の首に腕を回す。細い腕だが、そこには確かな熱が宿っていた。
中也は苦笑し、彼女の唇を塞ぐ。
「望むところだ、この唐変木」
翌朝。
食卓には、昨夜の約束通り、中也が腕によりをかけた豪華な朝食が並んでいた。
厚切りのフレンチトーストに、たっぷりのサラダ。ベーコンエッグに、完熟の果物。
「……ねえ、中也。これはいくらなんでも、やりすぎじゃないかな?」
太宰は目の前の山のような料理を前に、引き攣った笑いを浮かべている。
「黙って食え。昨夜あんなに体力使ったんだ、これくらい食わねえと倒れるぞ」
「でも、これ全部食べたら、本当に今度は胸以外にお肉がついちゃうよ!」
「ついてもいいって言ってんだろ。俺が全部愛してやるよ」
中也は平然と言い放ち、コーヒーを啜る。
太宰は顔を真っ赤にしながら、「……中也のバカ」と小さく毒づいた。
しかし、その手はしっかりとフォークを握り、甘いフレンチトーストを口へと運んでいる。
幸せそうに頬を膨らませる恋人を見て、中也は満足げに目を細めた。
彼女の健康と、その柔らかな曲線。それを守るためなら、彼は何度でも台所に立ち、何度でも彼女を甘やかすだろう。
太宰治という女が、自分だけの愛で満たされ、もっと豊かに花開いていくのを、誰よりも近くで見守り続けるために。
「お代わりもあるからな」
「……もう! 中也のスパルタ給餌には参ったよ!」
そう言いながらも、太宰の口元には隠しきれない幸福が溢れていた。
二人の朝は、甘い香りと共に、穏やかに過ぎていく。
ダイエット作戦は一日で終わり、代わりに始まったのは、中也による「太宰治健康化計画」という名の、底なしの溺愛だった。
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