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こむぎ@多忙/たまに書いてる
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秋(しゅう)は昨夜お客さんの勧めでお酒を飲み過ぎて、今朝のレッスンに遅刻してしまった。さっそくストレッチをしていると、隣に文也が座った。
「なんだ、眠そうじゃないか。昨日店が忙しかったのか。」
文也は言いながらストレッチを始めた。
「お前タバコ臭いぞ。最近吸い過ぎじゃないか?」
秋が返した。
「バリシニコフはヘビースモーカーだったらしいぜ。」
文也は悪びれずに言った。相変わらず自信家だ、と秋は思った。
「文也くん、田辺さんが呼んでるよ。」
マリカが汗を拭きながら二人に近寄って来た。文也は今度のバレエ団の演目、「白鳥の湖」のジークフリート王子の役をやる。ノーブルな雰囲気の彼は、王子にぴったりだった。秋は元気で見せ場も多い道化役をやるのだ。好きな役だったが、秋は自分より身長が五センチ高い文也が羨ましかった。
文也が行ってしまうと、マリカが言った。
「文也くん、今日もかっこいいな。私の片思い、いつ報われるんだろう。」
「マリカのこと、気に入ってると思うよ。マリカ美人なんだから、自信持ちなよ。文也は今きっと王子役のプレッシャーで女の子に目が行かないのさ。」
となぐさめた。
秋は以前文也と交わした会話を思い出していた。