こんにちは。
ソナチはショタおにだということが判明したので
やっぱり書きます。
⚠️・ソナチ
(ナチ→→ソ)
・ショタナチス
・ちょびっと史実
地雷さんまたね
戦争賛美、政治的意図なし
1945年5月。
ドイツが降伏をし、俺たちの戦争は終わりを迎えた。
「………で、今お前はなんつった」
部下「ナチス・ドイツの化身を発見したため、牢獄に幽閉しておりますッ」
「…どこの」
部下「地下一階の収容所です!」
「……チッ、やっぱここに連れてきたってことかよ…あーーめんどくせぇ」
「今見てくっから、お前は着いてくんな。分かったか」
部下「はッ」
なんで俺のとこなんだよめんどくせぇ……
…と思いつつも、
俺は地下へと足を運ぶ。
監視「はっ、祖国様ッ待っておりました!」
「あーうるせぇ、そういうのいいから」
俺は嫌な顔をして、とっとと消えろと言うように周りにいた者共をしっしと追い払う。
(ようやく居なくなったか……)
俺は誰もいないことを確認して扉を開ける。
ギィィガチャンッ
錆びた鉄の音が気持ち悪いほど脳に響く。
「はぁ、あーーーー面倒くせ」
「ならほっといてくれればいいのに」
「…………なんだ、お前喋れたのか」
驚いた。あまりにぐったりしてるもんだから、死にかけを連れてきたんかと思ってたんだが…
「嗚呼、”それ”が重いのか」
「………」
俺の指さす先にある”それ”とは
なんかあった時に使えねぇかなーとか思って適当に作らせておいた、約20キロもある手枷だ。
「ちょっと触るぞ」
「……は?」
あー、ほっそい腕しやがって…そう言いながら俺は淡々と手枷を外してやる。
「………は? 」
ナチスは困惑して声も出ないようだ
「どうした、やっぱ喋れないのか?」
「……いや、…どうして外す」
「ん?外して欲しくなかったのか?」
「そういう訳では無いんだが…」
「………おいナチス、少し待ってろ」
「よっ、ただいま。」
「………それは?」
「見て分からないか?包帯だよ、ほうたい。あと薬」
「いやそれは分かるんだが……」
どうやらこいつは、自分が手当されることに疑問を持っているらしい。
「おい、服脱げ」
「はあ!?なんでッ」
「早く」
「………」
ナチスはぶつくさと文句を言いながらゆっくり服を脱いだ。
「お前………傷だらけじゃねえか」
「見るな…見るんじゃねぇ」
………はぁ、まぁこうなっている事は予想していたがな。
俺たち化身の傷の治りは恐ろしいほど早い。
なのにこんな傷だらけと言うことは……
あいつら、監視共の仕業だろう。
…ナチスに恨みがあることは理解できるが、こいつに当たっても、もう何も起こらないというのに。
愚かな奴らだ。
「ほら、治療終わり。今日は早く寝て………って、ここじゃぁ寝られねぇか」
どうしたもんかなーと思っていると、俺に天才的なアイデアが浮かんだ。
「そうか、俺の布団をこっちに持ってくればいいのか」
「………何故???」
「………」
「どうだナチス、ここも豪華になっただろ」
「……うん」
俺は布団だけでは飽き足らず、オシャレなランプや机まで持ってきて、こいつの質素な牢獄を飾ってやった。
「あ、後これお前の服な」
「…………もうなんでもいい」
ナチスは全てを諦めたかのように、俺の渡した
真っ白な洋服に着替える。
「白も似合ってるぞ」
「……あ?………いや、ありがとう///」
…俺が褒めてやると、ナチスは照れくさそうにお礼を言った。
これは、吊り橋効果というやつなのか、ストックホルム症候群なのか、はたまたこいつは褒められたことがないのか。
どれにせよ哀れな子である。
「後で飯持ってきてやるからな。一緒に食べるぞ」
「一緒に…?何故だ」
「だってお前、見てなかったら食べずに放置しそうだからな。」
「いけないことか?」
「嗚呼。例え腹がすかなくても、食べないと元気にならない。それに、もっと太くなれ。肥えろ。これは命令だ」
「……分かった。」
「どうだ、うちの料理は美味いだろ。」
「………あったかい//」
「……嗚呼。暖かいな。」
スープやささやかな主菜を、ふーふーっとしてから食べるナチス。
美味しい。と言ってパクパクと…
なんの疑いもなく食べている。
まぁ、俺が毒味してからやってるけど
「んふふ、」
「美味いか?」
「嗚呼、美味しい////」
「……そりゃ良かった」
ニコニコしながら食べるナチス。
……あーーーー…最悪だ。
こいつは残虐な行為をしまくった国の、化身。
こいつが命令した訳でもなんでもないが、その事実は変わらない。
産まれてくる時代が違ければ
違う場所に生まれていれば
お前はこんな所じゃなくて、もっと広い世界を見れただろうに………と
思ってしまう。
正直俺は、こいつに同情してる。
ただただこいつが不憫で、可哀想で仕方がない。
……
ガシャンッカランッカラン!
突然、食器のぶつかる音がした。
「ナチスッ!?」
「…………ムニャ…」
なんだ、眠っているだけか。
やっぱりこいつは放っておけないな……と思いながら、 俺はナチスの体を抱き寄せ、頭を撫でてやる。
土砂降りの中、びちょ濡れになっていた子猫を助けた時のような
そんな気持ちで
「Спи, младенец мой прекрасный,
Баюшки-баю.
Тихо смотрит месяц ясный
В колыбель твою.
Стану сказывать я сказки,
Песенку спою;
Ты ж дремли, закрывши глазки,
Баюшки-баю.♪」
「おやすみ。俺の捨て猫。」
次の日、また次の日と、俺はナチスの所へ顔を出し、飯の時間になると見守ってやる。
そんな事を約1ヶ月もくり返していた。
ナチスも次第に心を開いてくれて、今ではもう…
ギィィ……
「ソ連!待ってたぞ!」
……俺の名前を呼んでみたり、
「ん……これあんま好きじゃない…」
文句を言ってみたり
「ソ連……一緒に寝て欲しい…」
甘えてきたり
「ソ連?」
「あ、嗚呼絵本な。今読んでやる。」
……少し、生きた年数よりも幼い行動をしているところが気がかりだが…
ま、最初の国や軍に強制させられたような喋りよりはマシか。
1945年11月
ナチスがここに決て、もう半年が経った。
約3ヶ月前、ナチスは日帝が敗れた事に酷く悲しんでいたが、今ではなんとか乗り越えることができたようだ。
…そして、今はもう、あの飾った牢獄は使われていない。
「ソ連〜、この資料ここでいいか?」
「嗚呼、そこに置いといてくれ」
「はーい」
ナチスは俺の仕事を手伝うようになった。
この事が世間に知られてしまえば、ちょっと問題になり兼ねんが……
…いや、そもそもこいつが生きていることを公表していないな…?
ここから問題になってくるのか……
「ソ連ー、俺偉いー?」
「え…嗚呼偉いぞ」
……精神年齢は低くなる一方だし…
(育て方を間違えているのか??)
俺の不安は募って行く。
でも、ニコニコしているこいつの事が愛おしくて
このまま育って欲しいとも思ってしまう。
「ソ連!乗せて!」
「ん、よし来た」
11月にもなるともう雪が積もり始め、気温は一気に下がる。
部屋のペチカには薪をくべているが、それでも寒い。
そんな風に俺が寒い寒いと言うと、ナチスは毛布を持って俺のところに来て
俺の膝に乗って暖を取らせてくれるようになった。
最初は、ナチスも寒いのか…と思っていたのだが、よく聞いてみると「ソ連の為だ」と言われた。
どうやらこいつなりの優しさらしい。
「ソ連〜、暖かいー?」
「嗚呼とても。」
俺は、暖かなこの子の背中をぽんぽんと叩き、あやしてやる。
するとこいつは「もう子供じゃないのにっ」と拗ねるようになった。
こんな事する奴が子供じゃない訳無かろうに。
俺は「はいはい」と言って仕事に戻る。
1945年12月
この時期は雪と氷に包まれる。
「ソ連寒い… 」
「これからもっと寒くなるから覚悟しておけ」
「やだ…」
12月にもなると、流石のナチスも寒がり出し、俺から離れようとしなくなった。
「危ないから足元をうろつくな。」
「じゃあ抱っこして」
「………はぁ、この我儘坊やめ」
俺は毎日のように抱っこを強要される。
「お、少し重たくなったんじゃないか?」
「最近沢山食べさせてくるから…」
俺は冬眠しないのに…と小熊のようなこの子が言う。
「食べれるだけ食べればいい。食べなきゃ身長伸びないぞ?」
「……いつかソ連の事抱っこできるくらいおっきくなる」
「ははっ、それなら筋肉もしっかりつけないとだな」
穏やかに笑い、幸せを噛み締める。
嗚呼、この子がここに来てくれて良かった。と
そんなことを思っていると、ナチスは突然耳元で何かを呟いた。
「Ich bin in dich verl…」
は?
本当に突然のことだった。
「…………俺がドイツ語を知らないと思ってんのか?」
「…思ってない」
「…………そうか」
「…………」
…長い長い沈黙が流れる。
こういう時、なんと答えればいいのが分からない。
「……グスッ」
「ナチス…?」
「…俺っ、ドイツに帰りたいッ」
「………それはどうしてだ?」
俺はナチスを抱っこしたまま椅子に腰掛け、落ち着いた口調で問いかける。
「もう、ソ連とッッ、あ、会いたく……ないからッ」
「優しくされるとッ、好きになっちゃうからッッ!だからっ、」
そこまで言うと、ナチスはわんわん泣き出してしまった
俺はただ抱きしめることしか出来なかった
そんな事があってから、気づけばもう4月になっていた。
ナチスはまだ俺のそばに居る。
「ソ連見てくれ!庭に綺麗な花が咲いてたんだ」
あげる!と言って、今日3度目のプレゼントを貰う。
「……ありがとう、大切にするな」
「うんっ!」
俺はこの笑顔が見たくて……
つい優しく接してしまう。
「ソ連今暇か?」
「え、嗚呼。どうかしたか?」
「抱っこして…欲しい///」
「ははっ、久しぶりだな。いいぞ」
よいしょとナチスを抱っこする。
初冬とは違い、体重が増え、身長まで伸びている事に気づく。
「おっきくなったなぁ…成長期か?」
「俺らにも成長期があるのか?」
「さあ、」
でも現に伸びているじゃないか。
……不思議なものだ
「168cm、おお、あと少しで170じゃないか」
「ソ連は何cmだ?」
「俺?俺は多分……2mは超えてるんじゃないか?」
「…………」
俺の身長を言うと、ナチスは黙ってしまった。
…いやしかし子供の成長とは早いものだ。
この間まであんなに小さかったのに……
「なぁソ連……」
「なんだ?」
「俺がもっと大きくなったらさ…」
「………その、えっと…」
「ん?結婚するのか?」
「ッッ、する!するの!!」
「ははっ、元気がいいこって」
俺は、よく聞く「大きくなったらパパと結婚する!」と言う言葉と同じものだと思っていた。
だがナチスはもう、そんな事を言うような歳では無かったのだ。
「ソ連ー、今日も身長測ってーー」
「はぁ?1日じゃそんな変わらないっての」
俺が初めて身長を測ってやった次の日から
ナチスは毎日のようにお願いしてくる。
「俺よりまだ低い。よし終わり」
「やーーーだーーーー測ってよぉ」
最近はこうやって駄々を捏ねてしまうほどだ。
「そんなに俺と結婚したいのか」
「グスッ、うん、したいっ」
「はぁぁ……」
「どうしたら諦めてくれるんだ?」
「やだ、諦めない」
「………諦めないなら勝手に知らん奴と結婚するぞ。それでもいいか?」
「……………えっ」
「え、やだっ、ぜったいやだっ」
「うっ、グスッ、やだっ、やだっ!!なんでそんな事言うのッ!」
………流石にやりすぎたか…
ナチスはぼろぼろと涙を流し、その場に座り込んでしまった。
「あー、悪い、さっきの嘘だから…ほら、泣き辞めるか…?」
「………ソ連」
「ごめんなさい」
俺はナチスに謝られてしまった。
「どうして謝る」
「…困らせちゃったから」
「いい子に…できなかったから……っ」
「…………大丈夫。お前はいい子だからな」
俺は屈んでナチスと目を合わせる。
「謝れたから、お前はいい子だぞ。」
「それに、結婚ってつまり、俺とずっと一緒にいたいって事だろ?」
「それなら俺もずっと一緒にいたいから。だからお前と同じ気持ちだ。」
「………同じ気持ち?」
「嗚呼、同じ気持ち。」
ずぶ濡れの捨て猫を救いあげたのは自分なのだから
最後まで面倒を見てやらないとな。
俺はおいで。と言うように腕を広げ、ナチスを包み込んでやる。
暖かくて、まだ小さくて、愛おしい子。
まだまだ守ってやらないとだな。
コメント
4件
このまま純愛が続いてくれますように…なんか残酷なやつもいいと思いますけどやっぱりこの2人はふんわりと平和にしていてほしいですね!!
癒しの楽園はここだと聞いてッ()
神様ありがとうございます こんな尊いものを生み出してくれて