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「様々なコンテストでポーズを決めたわ、Tバックのポージングでトラップで股間を隠しただけの巨体な肉体が映った自分の写真・・・ええ・・・あの頃はたしかに自分が好きだった・・・美しいとさえ思っていたわ 」
私の貸してあげたハンカチを眼がしらにあてて、ブラックが財布から自分が映った写真を取り出して見せてくれた
「・・・たしかに・・・私は綺麗だと思うわ・・・ 」
私は写真をマジマジ見つめた、今の彼より少し若い
「他人から見たらさぞかし滑稽でしょうね、体脂肪が2%程度になるまで贅肉を削ぎ落し、利尿剤の作用で、コンクリートみたいに冷たく硬い肉体を作り上げ、目もくらむようなスポットライトと、難聴になりそうなスピーカーのハウリングを、全身で浴びながらステージ上で恍惚となって・・・ 」
オイオイブラックが机に突っ伏して泣く、うんうんと頷いて慰める私
やだ・・・こっちまで泣けてきちゃう
「ガンに一直線だったわ・・・そんなことも知らずに私はいろんなコンテストで、今でも夢を見るのよ、審査員の声・・・右腕を伸ばし、大脚四頭筋に力を入れて静止・・・左腕を伸ばして二頭筋に力を入れて静止・・」
自分の世界に浸って泣いているブラックに私は言った
「ブラック・・・・わかるわ・・人は何かとてつもないショックを受けたら、立ち直るのにかなり時間がかかるのよ・・・ 」
ヒック・・「あなたも何かショックを受けたことあるの?」
ブラックが泣きぬれた瞳でこちらをみた
「ええ・・・前の夫に私・・・暴力をふるわれていたの、背骨を折られて彼の家を出たの・・・ 」
「クソみたいなヤツね」
私は思わず笑ってしまった、そのクソみたいなヤツを柚彦君は回し蹴りで飛ばしてしまったのだ
どういうわけか今、私はとてもすがすがしい気持ちになっていた
「よかったら・・・私の知り合いの人のカウンセリング受けてみない?スッキリするわよ 」
「鈴子・・・あんたって・・・いいヤツね・・・ 」
いきなりブラックが私を抱きしめ、私はオイオイ泣くブラックのホルモンで出来上がったデカパイに顔を挟まれた
「く・・・くるしい・・・ブラック 」
私は泣きじゃくるカーペットに押しつぶされる気持ちになった、息が出来ない
途端にブラックが誰かに蹴り飛ばされて、ひっくり返った
「鈴ちゃんに触るな」
いつの間にか柚彦君が私の隣にいた、ブラックを蹴り飛ばしたのも彼だった