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四星河

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四星河

9 - 第9話

2024年08月04日

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9

別のところにいた出雲達は、ドーン!という大きな音に反応をした。

「な、なんですか、今の音。」

伊吹が困惑しながら後ろを振り返った瞬間、彗がその音の方に飛び出して行った。

「おい!彗!!何してんだ!!」

「阿須の強い能力を感じる!!出雲がいねぇどうにもならねぇ、全員来い!!! 」

彗が焦りながら2人に向かって叫んだ。

伊吹と出雲は深く頷き、音がした方へと向かっていった。


阿須は剣を抜き、あっという間に青い炎に纏われた。炎の猫のような耳が少し見える。本当に化け猫のような姿だった。疾風も佑由も、本当に人間なのかと疑うぐらいの姿だ。阿須は剣を振り回しながら、楽に向かっていった。

「おい!阿須!!それ以上1人で突っ走ったらあかん!!はよ帰ってこい!!!!」

阿須には疾風の声は届かなかった。佑由も疾風もどうしたらいいのか分からず、その様子を見ることしか出来ない。阿須が剣を楽に刺そうとした瞬間、楽の目の前に鬼のお面を付けた男女二人が目の前に現れた。阿須は、1歩足を引いた。

「楽様に手を出すものは許しませんわ。」

「それに、楽を殺すなんて100年早い。」

2人は喋りながらお面を取り、素顔を見せた。女の方は、綺麗な黄色の目でハーフアップの綺麗な赤い色の髪。男の方は、青い髪のウルフ、2人ともキラキラと光る黄色の目がよく目立つ。

「礼儀がなっとらんな。最初に名を名乗るやろ。」

疾風が阿須の隣に来て、言った。

「私は、潤井阿南(うるいあなん)。元華国に居た者よ。今は鬼様の信仰のためにこちらにいるの。」

「俺は、空琉那々斗(あくるななと)。同じく俺も華国に居た者だ。」

2人とも華国出身。和国出身の阿須、疾風、翠国出身の佑由は2人のことは見覚えにない。

「まぁ、名前を聞いたところで俺の能力でてめぇらは焼け死ぬんだから、関係ねぇけどな。どけ、俺は鬼龍楽に用があんだ。 」

阿須は1歩前に出て、2人に言った。だが、2人は聞かない。楽には近づけさせないと言うような顔をしていた。そして、2人も刀を出した瞬間、阿須はニヤッとし、2人に向かっていった。

「おい!阿須!出雲達と合流するまで待て!!」

「疾風くん、もう無理だよ。あそこまで行っちゃったら、もう止められないよ…。私、あんな姿の阿須くん、初めて見た。」

佑由が疾風の手首を掴み、話した。阿須を止めることが出来ない。疾風は無力な自分に腹が立った。

「俺もや。けど、自分たちができることをした方がええと思う。佑由は、守護を頼む。俺はあいつと一緒に戦う。出雲達が来たら状況を伝えてくれんか?」

疾風は佑由の頭を撫でながら、優しく話した。

佑由はコクリと頷き、自分の後ろを見、他のお面の敵達を見回した。疾風も同じく後ろを向き、背中合わせになった。

「よろしくな、佑由。」

「分かった。ありがとう、疾風くん。」

そう言った後、2人は自分がやるべき場所へと向かっていった。


「彗、何か感じるものは?」

「どんどん阿須の能力が近くなってる気がする。多分この辺だ。もうちょい行くよ。」

彗は、能力を感じながら2人を連れて進み続けた。


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