コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
10
「阿南。俺は奥のキツネ目を殺る。お前は、あの女を殺れ。」
「ええ、分かったわ。 」
2人はそれぞれ、疾風の佑由の目の前に現れた。疾風は、小さく「くそっ」といい、那々斗と対面した。
「阿須!!俺はこいつらの始末をする!お前はとりあえず鬼龍のとこに行け!!」
「言われなくても分かってら。」
そういい、阿須は楽の方へ向かっていった。
疾風は息を吐き、戦闘準備。空をなぞる振りをし、大きな真っ赤な炎の玉を何個も出した。まるでマジシャンのようだ。
「ほう、お前は赤いな。あいつの炎は青かったが。」
「あいつは少し特殊なやつなんや。俺が普通。火力はこっちの方が強いけどなぁ?お前なんかすぐ焼け死んじまうで。」
疾風はニヤッとした後、炎玉を那々斗に向かって飛ばした。那々斗は刀で自分をガードするが、疾風の炎が熱すぎるのか、すぐ熔けてしまった。
「な、なに?!」
「はっ、俺の炎を甘く見ちゃあかんで?俺の炎に触ったら死んじまうゆーたやろ?えっぐい熱いんやで。お前らは刀以外に戦えるもんはないんか?弱いんやなぁ?」
那々斗は、替えの刀がない。だが、華国の者だ。雷技が基本なため使えないわけが無い。
「うるさいな…。使えるに決まってるだろ。 」
そういい手の平からビリビリと雷を出す。それを疾風に向かって伸ばした。バリバリと強い音を出しながら電気が疾風の方にすごい速さで向かっていく。疾風は一発目、避けられなかった。
「いっ、くっそ。そうか、雷や…。華国やもんな…。いってぇ…。」
疾風の周りにはビリビリと電気が走り始めた。麻痺をしている。動くことが出来なくなっていた。どうしようかと思考を回したが、それどころじゃなく、ただただ息が上がっていくだけ。電気が走って、耐えることしか考えられなかった。
「もう1発食らわせて終わりだなぁ!死ねぇ!!!!」
疾風は、もう終わったと諦めた。目をつぶり、喰らうのを待った。だが、いつまで経っても何も感じなかった。少し目を開けてみると目の前に誰かいるのが見えた。しっかり目を開けてみると、出雲だった。
「出雲先生…?!」
「遅れてごめんな。大丈夫か。」
「俺は…、まぁ。あ、佑由は?!」
「佑由の方には彗がいる。こいつは俺と伊吹で何とかするから。」
そういい、出雲の能力で大きなシャボン玉のようなものを作り、それの中に疾風を入れ、少し離れた場所まで連れていくように指示した。
「おいっ、いっ、ずも…。なにしてんねんっ、」
麻痺の力が強くなっていき、疾風が上手く喋れなくなっていた。
「疾風、追いついてください。出雲先生が代表者を2名呼びました。回復してもらってください。ここは私たちが何とかしますから。」
伊吹が、ニコッと微笑み疾風から離れていくと同時に疾風を入れているしゃぼん玉がゆっくりとその場から離れるように進んでいった。
「な、なんなの…。阿南…でしたっけ…。」
「ええ、そうよ。あなた、回復メインなのね。なら弱いはず。」
阿南はそういい、自分の刀に自分の能力、電気を流し込み、それを佑由に向かって切ろうとした。その瞬間、バチンっっ!!と大きな音を立て刀が弾かれたのを佑由は見た。
「大丈夫か、佑由。もう大丈夫。」
そこには彗が来ていて、佑由に優しく声をかけた。佑由は少しドキッとし、すぐ下を向いた。
「彗…さん…。ありがとうございます…。」
「ああ、大丈夫だ。お前がこの場から居なくなったら守護、回復が居なくなるから困る。俺はめんどくせぇけどこの女の相手をするから、お前は少し下がってて。絶対傷1つ付けないから。」
そういい、彗は阿南の前に立った。
続