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【BL】隣りの2人がイチャついている!

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【BL】隣りの2人がイチャついている!

81 - 第66話 幾ヶ瀬Present's愛と笑いの怨念チャンネル(9)

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2024年01月07日

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深夜の学校。玄関前。

死にかけのヘンタイメガネと取り残され、アタシはパニくった。


「ど、どうしたら……」


放っておくわけにはいかない。

それはさすがにマズイ。人として。


ノゾキで捕まるのもイタいが、死体遺棄(いや、まだ死体にはなってないんだが)は、ガチモンの犯罪だ。

アタシが巻き込まれただけの被害者なのは確実だが、その言い訳が果たして法廷で通用するものか……。


いや、待って?

ノゾキで捕まるより、死体遺棄のほうがダメージ少なくないか?

なんていうか、精神的なダメージってやつが。


「グゥーッ、グゥーッ」


「はっ!」


ひときわ大きなイビキ。

アタシは我に返った。


ダメだ。ノゾキでも死体遺棄でも、どっちに転んでもアタシの未来は「法廷の被告人」だ。


ならば、この場で幾ヶ瀬の死体を何とかするまでだ。

何故なら、死体が誰にも見つからなかったら、少なくとも「死体遺棄」事件は成立しない。


「フッ、この学校の怪談が『八不思議』になってしまうな」


なんてニヒルに呟きながら、メガネの肩を抱えたときだ。


「ハックショーーーン!」


大きなクシャミとともに、幾ヶ瀬が起き上がったのだ。


「ヒィィ……」


ビ、ビックリした……。

腰から、そして全身から力が抜ける。

ヘンタイメガネと入れ替わるように、アタシの身体はコンクリ地面に倒れ込んだ。


キョロキョロしながら幾ヶ瀬のヤツ、アタシを見下ろす。


「あれ、有夏は?」


「し、深夜アニメを……」


いまわの際の言葉だが、メガネは「ああ、そっか」と気楽に頷いただけだった。

次いで「ありかぁぁーー」と叫びながら校門の方へ走り出す。


「ありかぁぁ、そのアニメは俺が録画しといたよぉぉ」


薄れゆく意識の中、アタシは隣りの薄情な2人の後姿を見送る。

まぶたがピクピクと痙攣し、視界が徐々に狭くなるのが分かった。

喉の奥で「グーッ」と地響きのような音が鳴り響く。


えっ、アタシ死ぬの?


アタシの、いまわの際の言葉「し、深夜アニメを」かよ。

勘弁してくれよ。


目の前が暗くなる。

ああ、神様……生まれ変わったら推しカプの家の壁に、そして天井になりたいです。


※ ※ ※ ※ ※

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