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〖アイビー〗
# 14
〔 成亜視点 〕
青空くんが、成亜んとこに来てから、何日経ったっけ。
窓の外は、もう春や。
来たときは、まだ寒かったのに。
もう、数えるのやめた。
数える必要、ないもんな。
青空くんの携帯は、もう鳴らへん。
最初の頃は、何回も震えてた。
〈奏〉って名前が、何回も光ってた。
……電源、切った。
引き出しの奥に仕舞って、もう見てへん。
青空くんも、気づいてへんみたいや。
携帯のこと、もう聞いてこーへん。
青空くんは、今お昼寝中。
優しく頬を突いたり、ぷにぷにするんが
最近の祝福。
めっちゃ癒される〜
青空くんから、外の世界、全部消した。
もう、誰も邪魔せーへん。
青空くんが外につながるものは、もう思い浮かばへん。
ずっと成亜だけが、
青空くんの隣に。
『んぅ…』
「そら〜!」
「おはよう」
『んん…、なる…』
寝ぼけてるんか、弱々しく成亜に手を伸ばしてくる。
青空くんからきたんやから、ええよな?
ちょっとだけ強くぎゅーして、
膝の上に乗せる。
「…なぁ、そらくん」
『なに、?』
少しづつ頭が起きてきたみたいで
呂律がちゃんとしてきた。
こてって首を傾げて、
その顔は目と鼻の先。
「なる達、ずっと一緒やんな?」
微かに、声が震える。
『もちろんっ』
……せやんな。
声には出さんかったけど、
心の中で、確かめてた。
それでも、もし離れたら、って考えが、
頭から離れへんのが怖かった。
……もう、逃さへん。
そう思ったのに、
息が、うまく吸えへんかった。
青空くん以外、もう何も聞こえへん。
軽く、青空くんにキスしてみる。
ちゅ、っと静かな音が成亜の耳に重く響く。
窓辺のアイビーを飾った2人の部屋で。
窓辺のアイビーに水をやって。
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〔 青空視点 〕
『なるあと一緒なら、なんでもいい』
『外の世界?』
『…もう、いらない』
友達?
227
こげ丸
誰だっけ。
名前、出てこない。
『ここが、全部だもん』
『なるあが、世界一大好き』
『ここが、一番綺麗な世界』
『……そう、なはず』
これ以上は、壊れる気がして、やめた。
窓辺のアイビーの水を抜いて。
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