テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
スズメのせいで性癖歪みました!責任とれ!(横暴)
暗く湿った地下室。空気は停滞し、鉄錆とカビ、そして男が焚き染めた「毒香」の甘ったるい死の匂いが混じり合っている。
スズメは、かつてないほどの無力感の中にいた。四肢を大の字に広げ、太い鎖で冷たい石壁に固定されたその姿は、誇り高き忍の末路としてはあまりに無惨だ。
「……はぁ、はっ……、っ……」
常に月光のように涼やかだった彼の呼吸は、いまや熱い喘ぎとなって喉を焼き、肺を粟立たせている。
男が燻らせるその香は、忍の研ぎ澄まされた神経を「暴走」させる禁忌の薬物だ。それを吸い込むたび、スズメの皮膚感度は数千倍に跳ね上がり、普段なら気にも留めない空気の揺らぎさえ、鋭利な刃で撫でられるような戦慄へと変わる。
「……趣味が、悪いな……。こんな、まどろっこしい真似を……して……っ!」
震える声で軽口を叩こうとするが、男の太い指がスズメの顎を強引に掴み上げた。ギリ、と骨が鳴る。
「余裕を装うな。その指先、小刻みに震えているぞ。強がれば強がるほど、その身体は正直な悲鳴を上げている」
男の冷たい指先が、スズメの耳元から、汗ばんだ首筋へとゆっくりと這う。
ただの接触。本来なら、不快感すら覚えないはずの微かな摩擦。しかし、狂わされたスズメの脳には、それが「赤く焼けた鉄を押し当てられる」ような、あるいは「幾千の針で一斉に刺される」ような狂おしい刺激となって奔る。
「あ、が……っ!! あ……あああああぁぁぁっ!!」
スズメの背が、拷問台の上で弓なりに反り返った。
端正な顔は、羞恥と逃げ場のない苦痛によって赤黒く染まり、その切れ長の瞳からは、本人の意志に関わらず生理的な涙が絶え間なく溢れ出す。
「……やめ、ろ……っ。殺せ……! さっさと、ひと思いに……っ!!」
「殺さないさ。お前のような高潔な『忍』が、ただの接触にこれほど淫らに、無様に鳴く。その『聖域』が内側から崩れていく様を、ゆっくりと鑑賞させてもらう」
男の手が、今度はスズメの薄い胸元、肋骨の隙間をなぞるように食い込む。
神経を直接逆なでされるような、生理的嫌悪を伴う耐え難い感覚。スズメは舌を噛み切らんばかりに食いしばり、必死に「忍び」としての矜持を繋ぎ止めようとする。だが、肉体はすでに彼の制御を離れていた。
痛みはいつしか、脳内で強烈な「快楽」の電気信号へと変換され、脊髄を白熱させていく。
「ふ、うぅ……っ、は、あ…………っ!」
やがて、スズメの意識は混濁し始めた。
あれほど鋭かった瞳は焦点が定まらず、ただ男の指が動くたびに、獣のような、あるいは壊れた玩具のような声を漏らす。
「あ、や……。もう、やめて……くれ……」
ついには、彼が最も忌み嫌っていたはずの、弱々しい「命乞い」が、汚された唇から零れ落ちた。
誇りも、余裕も、一族の誉れも。
すべてが、不本意に溢れ出す熱と屈辱の泥沼に沈んでいく。
その瞬間、男はスズメの乱れた髪を掴み、無理やり自分の方を向かせた。
鏡のように磨き抜かれたクナイの腹を突きつけ、スズメにその「今の姿」を直視させる。
「見てみろ、雀。これが、お前が最後まで守ろうとした『自分』の成れの果てだ」
鏡に映ったのは、涙と汗に汚れ、視線は虚ろで、口角から一筋の銀液を垂らしながら、苦痛の絶頂の中で果てそうになっている、一羽の無力な小鳥の姿だった。
「……ひ、ひっ……、あ……はは………………」
スズメの喉から、乾いた笑い声が漏れる。
それは、彼が完全に「自分」を喪失した合図だった。
端正だった顔は、もはや元の形を思い出せないほど情欲と苦悶にひきつり、背徳的なまでの美しさを湛えて、闇の中に沈んでいった。