テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
💜「あっと、俺─。」
眠ろうとして目を閉じた時、闇が俺を引きずり込んだ
息ができず、意識が朦朧とする中聞こえたのは、
?「キミ、僕との契約を忘れちゃったの?あんなに望んでいたのにひどいなぁ」
すると、あたり一面闇に染まった、どこかのシャッター街の通りのど真ん中で俺は突っ立っていた。
電灯はチカチカと頼りなく光り、その周りを、光におびき寄せられたハエが飛び回っている。
💚「まぜ太」
声がして、振り向くとぷりちゃんがシャッターにもたれかかって座り込んでいた。
💜「ぷりちゃん?どうした、そんなところに座って、風邪ひくぞ」
駆け寄ると、
💚「はっ、そんな風に偽善ぶってんじゃねぇよ」
その言葉を吐き捨てて顎で指した方向に、ちぐが喉を抑えて転がっていた。
💙「まぜたんはいいよね、俺らを置いていって自分だけ楽しそうでさ」
その横でけちゃは布を肩からかけて、ちぐの背中をさすって言い放つ。
🩷「まぜちの声は武器になるんだよ?簡単に傷つける。僕はもう相手にできないよ」
その途端、忘れていたはずの息苦しさが込み上げ、目が覚めた。
シーツは汗でぐっしょりと濡れていて、まだ夜が更け始めた頃。
枕元に視線を落とせば、メンバーの配信の通知でスマホのロック画面が青白く光る。
💜「なんだ、今の夢、、」
そして、一つ一つ、夢の中の記憶を辿る。
心が沈むような気持ち悪い感覚が胸に溜まる。
アンプのメンバーが登場するなんて。
?「僕との契約、忘れちゃったの?」
そう、俺を呼んだ、こいつは誰なんだ。
顔も声も、今まで出会ってきたやつと違う異質なもの。
だけど、夢の中の記憶なだけあって、全く覚えていない。
💜「っと、まぁこんな感じだ。あっと、これ聞いてどう思う?」
なるべく暗い気持ちで引きずってることを悟られないように、パッと顔を上げあっとに向き直る。
隣に座るあっとは、床を見つめて耳に傾けていたのか、ずっと少し先の床を見つめたままだった。
❤️「そう、だな。。」
そして言葉を探るように、慎重に続ける。
❤️「夢の中の話だから、信じすぎるのもどうかと思うんだけど、まぜって何か重大な契約とかしたか?」
俺も思い返しても、とんと心当たりはなかったので、あっとに首を振る。
そうして、二人して、ソファにのけぞって首を傾げ、天井を仰いだ。
すると突然、
❤️「うわっ、心臓に悪いってwww」
気づくと、目の前にけちゃおが仁王立ちをして俺ら二人を見下ろしていた。
💜「お前、怖いってwww」
けちゃおは俺たちのリアクションを見て、吹き出す。
🩷「だって、スープ出来上がって呼びに行ったら、二人とも宇宙と交信してるみたいだったんだものww」
それから、俺ら三人、温かい生姜の効いたスープを飲みながら、あれやこれやと話をしていた。
ちなみに、けちゃお特製スープは、ぷりちゃんづてで聞いていただけあって、マジで美味かった。
ということは、ここだけの秘密にしておこう。