コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
これは数年前…そう、歴史から見ればつい最近の話
あるところに、蒼い悪魔が生まれました
その悪魔は
「蒼」
と名付けられていました
蒼は平凡な悪魔でした
一つ変わっているところと言えば
悪魔らしくないこと
仲間を庇い
無欲で
自分を犠牲にする
周りからは天使みたいだと嫌われました
しかし蒼は気にしませんでした
どうでもよかったから
蒼は、自分らしく生きていただけだった
悪魔だからどうした
自分らしく生きていいじゃないかと
しかし…あるとき、そんな考えを踏みにじられるようなことが起きました
ある日、蒼はいつも通り生きていた
丁度、誕生日だった
そんな日に
親に拘束され
仲間に裏切り者として縛り上げられ
悪魔の翼をもがれ
角も左だけもがれた
蒼は何も思えなかった
背中に感じる流れる何かと
頭から流れてくる生ぬるい鉄の匂い
ただわかったのは
このままでは死ぬということだけ
元仲間は
蒼をそのまま放置して、立ち去ってしまった
蒼は…何故か涙すら出てこなかった
ただの憎悪と
復讐の心だけ
自分でも何故か分からなかったが…
それに任せてみた
初めて…本能に従って動いた
楽しかった
快感だった
けれど
欲しいのはこれじゃなかった
蒼が欲しかったのは…
下から見上げていた、純粋な愛
あれが欲しかった
だから…悪魔らしくないことをした
その結果が、このザマだ
蒼は、自分の気持ちの出し方が分からなかった
愛はどう出せばいい?
悲しみはどう出せばいい?
…わからなかった
それでも、蒼なりに…努力した
それでも、逆の意味に取られることが多かった
それでも…わかってくれる人を探して、この方法を使い続けた
「俺は、選択を間違えたのか?」
「俺は…自分なりにやっただけだった」
「愛ってやつを、知りたかったから」
「普通なら違うんだろう」
「でも、俺はどうでもよかった」
「皆と一緒にならなくてもよくないか、?」
「別に…一人でもよかったじゃないか」
「なのに、アイツラは…」
「翼と角をもいでいきやがった」
「はっ、お陰で俺は出来損ないだ」
「例外がそんな怖いか?」
「未知の考えがそんな嫌いか?」
「悪魔らしくないと、悪魔じゃないのか?」
「…俺は…そんな考え…どうでもよかったんだがな」
「愛を知りたかった…」
「でも、表現すらできなかった」
「思ったことを言えない」
「いつも逆のことを言ってしまう」
「軽いことじゃない」
「天邪鬼でもない」
「…愛を教えてくれた人の前だけだったら…」
「逆の態度をとってしまう」
「こんな俺が嫌いで…」
「少し、嬉しくて」
「…なぁ、俺は…」
「悪魔なのか?」
[仲間外れの悪魔]