テラーノベル
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冒険者登録の村まで、あと二日。森を抜け、岩山の道を越えていく。
「なぁリバ、道ちょっと合ってるよな?」 「はい!地図によると、この小川沿いに進めばいいはずです。」
途中、急な崖やゴツゴツした岩道を何度も越えることになる。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。俺、こういう所苦手なんだけど……足、滑るしキノコだし……」 リバはさっと手を差し出してくる。 「私に掴まってください!かなりの力自慢です!」 「いやそれ自覚あるんだな……」
二人が手を繋いでよじ登る間にも、小動物の巣穴をまたいだり、突然の突風でバランスを崩したりするたびに— 「やばっ!」
ドサッと転げそうになるモルグを、リバはがっしり両腕でキャッチしてくれた。
「マッシュ様、怪我ありませんか?」 「だ、大丈夫……あー、初心者丸出しだな俺。リバのおかげで生き延びてる気がするわ……」
リバは照れくさそうに微笑む。 「私も、こうして誰かと旅しながら助け合うのは初めてで……なんだか楽しいです。」
昼は山の中で美味しそうなキノコを見つけたり(リバにとっては複雑な気分らしい)、野草を集めてサンドイッチを作ったりする。「これ、毒ないよな?」と毎回モルグが念押し。
夜になると焚火をし、昨日より離れて毛布を広げる。 「……今日こそは寝返りで踏みつぶさないようにする……!」 「それは助かる……」
ときたま、森の奥から獣の鳴き声も聞こえる。リバは少し警戒して剣を握る。 「マッシュ様、何かあったら絶対私の後ろに隠れてくださいね」 「おう……頼もしいなやっぱり。頼りすぎないよう頑張るよ」
翌朝、小さなトラブルがあった。
リバが朝の水汲みに行った際、蜂の大群に追われて戻ってきたのだ。 「うわああああ!マッシュ様助けてください!」 「逆に今は俺が役に立つときっ!」
モルグは慌てて「眠り胞子」を放出。蜂たちはすぐにどこかへ…
リバは膝を抱えて座り込む。 「虫は……苦手なんです……」 「筋肉はあっても虫には弱いんだな——」
二人でしばらく笑い合った後、また歩き出す。
夕暮れ時、ついに遠くに村の灯りが見えてくる。
「見てください、マッシュ様!あれが例の村です!」 「おお、ついに着くぞ……明日はいよいよ冒険者登録だな」
二人は野営地の準備をしながら、その夜は温かい気持ちで眠りにつく。
こうして俺たちは、
いくつかの小さな失敗や助け合いを重ねて、
ついに冒険者の村まで、あと一歩のところまで来た——!
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