テラーノベル
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朝日が差し込むなか、俺とリバはついに冒険者の村へとたどり着いた。 木組みの建物に「冒険者ギルド」と大きな看板。広場では色んな武装の若者や熟練の戦士、魔法使いたちがにぎやかに話している。
「うわ……すげえ活気だなあ」 「緊張してきました。でも、ついに私たちも冒険者に……!」
リバは少し顔を赤らめて拳をぎゅっと握る。
扉を開けると、受付カウンターにはキリッとしたエルフの女性が座っていた。
「ご用件をどうぞ」 「俺たち、冒険者登録に来たんですが……」 「はい。種族名と名前を記載の上、登録用紙にご記入ください。そちらで簡単な能力測定と登竜門の“初心者試験”も受けていただきます」
――記入用紙にそれぞれサインする。
「マッシュ・モルグ、キノコ種族」 「リバ・カーン、人間剣士です!」
次は能力測定。
水晶玉のような装置に手をかざすように言われる。
「リバさん、まずはどうぞ」 「……はいっ!」
リバが力を込めて掌をかざすと、水晶がまぶしく光る。
『筋力値:SS 敏捷:B 耐久力:S 特殊スキル:剣技“風狼”……』
受付のエルフも感心して目を丸くする。
「ほぉ……見事な剣士です。前衛向きですね」 リバは少し照れくさそうに笑った。
「次はモルグさん、どうぞ」 「ほいっと……」
水晶に手を触れると、赤紫色の光がゆっくりと灯る。
『能力値――特殊種。菌類スキル各種、“胞子操作”、“腐敗マイコ・タッチ”、“覚醒胞子”……』
受付嬢は目を細め、プロらしい瞳で頷いた。
「なるほど……極めて珍しい希少種。支援や特殊作戦での活躍、とても期待できます!」
続いて“試験”。
ギルド裏の訓練場で、モンスター討伐の簡易ミッションが出される。
「二人ひと組で、模擬幻獣を三体倒してください!」
「行きますよ、マッシュ様!」 「ああ、任せろ!」
リバが先陣を切って飛び込み、剣で一撃。幻獣が吹っ飛ぶ。 同時に、俺が「眠り胞子」と「腐敗マイコ・タッチ」を連携して、ふたつ目を一瞬で撃退。
「あと一体!」 「見てて!“剣技・風狼──斬!”」
風のような速さでリバの剣が煌めき、三体目もあっさり討伐。
訓練場のスタッフたちも思わず拍手。
「お見事!これで登録試験合格です!」
「やったー!」
無事、冒険者証と初級ランクバッジを受け取る。
「マッシュ様、ついに……冒険者ですね!」 「そうだな、リバ。また新しい旅の始まりだ」
ふたりの冒険者証が太陽に輝いた。
受付の女性が静かに伝える。
「これよりお二人は、ギルド所属の冒険者です。依頼や情報、宿など、どうぞ何でもご相談ください」
外に出ると、村の街並みと人々のざわめきが新しい力に満ちて聞こえてきた。
「さて、次はどんな依頼を受けようか?」 「私、モンスター討伐も討伐もお掃除も料理も全部全力でやります!」
「リアルに頼もしすぎて、俺の出番なくなりそうだな……」
こうして俺たちは、ついに冒険者として
一歩を踏み出したのだった――。
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