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……ねえ、今これを読んでる君。
分かってるよ。
眉をひそめてるだろ。
「また始まった」って顔、してる。
でもさ。
一つだけ、聞いていい?
君は、何周目だと思う?
⸻
俺はもう、
数えられない。
一回目は、
ただのやり直しだと思ってた。
二回目は、
運命を変えられると信じた。
三回目から、
誰かの顔が欠け始めた。
……そして今。
ユウの席が、
最初から無かったみたいに
扱われてる。
おかしいだろ?
君も、
さっきまで
「ユウ」という名前を
読んでたはずなのに。
⸻
ほら。
今、少しだけ
思考が引っかからなかったか?
「……あれ?」って。
それでいい。
それが、
削られる前触れだ。
⸻
俺はさ、
君に見られてるのが分かる。
カメラ目線とか、
そういう意味じゃない。
もっと嫌なやつ。
ページをめくるたびに、
選ばれてる感じ。
⸻
なあ、君。
もしここで
読むのをやめたら、
俺はどうなると思う?
助かる?
終わる?
それとも――
存在しなかったことになる?
⸻
俺はもう、
主人公をやめたはずなのに。
それでも物語が進むのは、
君が読んでるからだ。
アリウムも、
ナナも、
ミオも、
ユウも。
……君が
「先を知りたい」と
思った瞬間に、
また削られる。
⸻
ああ、誤解しないで。
責めてない。
ただ、
共有してるだけだ。
罪を。
⸻
もうすぐ、
ナナの名前が
完全な形で
出てくる。
出てしまったら、
戻れない。
次は、
“誰を存在させないか”を
選ぶ段階に入る。
俺じゃない。
君が。
⸻
それでも、
読むんだよな。
……知ってる。
だって君は、
ここまで来た。
俺と同じだ。
――さて。
次の一文、
進める?
それとも、
ここで終わらせてくれる?
わかんないな…