「あなたがいるから」
私が笑うと、晴さんも同じように笑ってくれ、それからきょろきょろと視線を左右に振った。
「美穂(みほ)、移動しようか。ここはお城をバックに見られる場所だから、たぶんもっと人が集まってくる」
たしかにあたりは人でいっぱいで、こうしている間にもどんどん人が集まってきている。
晴(はる)さんは私が去年パレードの人ごみで怖がっていたことを知っているから、まわりにあまり人がいないところのほうがいいだろうと、気を遣ってくれているんだろう。
去年男の人の手がお尻に触れた時は、本当に怖かったし、今も思い出すと苦しくなる。
だけど、それはもう過去のことだ。
以前の私なら、こんな人の多いところにいるだけで、不安で落ち着かなかっただろう。
でも今は近くに男の人がいることもわかっているけど、前みたいには気にならない。
その理由は―――。
「晴さん、大丈夫です。もうだいぶ男の***************
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