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HA☆KU☆MA☆I☆
28
とーか
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コメント
1件
うわ、めっちゃ個性的なキャラ来たな!笑 毒島春、見た目も言動もカオスすぎて一瞬で掴まれたわ。無陀野の「気持ちが悪い」とか「金貸し——消えろ」の流れ、めちゃくちゃテンポ良くて声出して笑った。最後の四季の「悪い人かも」の反転も好き。あの軽さの中に一瞬見えた真面目なトーン、続きでどう化けるのか気になるな🔥
第一話 非常勤講師それは、唐突にやってきた。
突然、教室の扉がガラリと開く。
そこから現れたのは、場違いなほど飄々とした男だった。
「……何の用だ」
無陀野無人。
常に無表情で、何を考えているのか分からない鉄仮面。
そんな男が、ほんの少しだけ嫌そうな顔をしていた。
「いやぁ、仕事しろって校長に言われちゃって」
男はヘラヘラと笑いながら、悪びれもせず教室へ入ってくる。
突然の乱入者に、四季たちは揃って固まった。
「む、ムダ先……? こいつ誰っすか……?」
四季が恐る恐る尋ねる。
見たことのない男だった。
黒髪。
感嘆符と疑問符という、やけに個性的なヘアピン。
目の下には、感嘆符を反対にしたようなタトゥー。
耳には大量のピアス。
首元には、隠す気があるのかないのか分からないほど、いくつものキスマーク。
どう見ても教師には見えない。
というか、教師であってほしくない。
皇后崎も、遊摺部も、矢颪も、珍しく揃って男を凝視していた。
そんな視線など一切気にせず、男はニコニコしている。
「……こいつは、《毒島 春》」
無陀野が言った。
「名前の通りカスだ。それでいて、俺の珍しい同期だ」
「そーそー」
春は嬉しそうに頷く。
「俺ってばカッコいいっしょ? 惚れた?」
「…………」
「てか、可愛い子いるじゃーん」
春の視線が、教室の隅へ向く。
そこにいたのは、オドオドとした少女。
「ね、そこの君。連絡先交換しよ?」
「ひっ……!」
屏風ヶ浦帆希の肩が跳ねる。
「おい」
無陀野の声が低くなった。
「何の用だと聞いたはずだ」
「いやいや、挨拶だって」
「誰が自己紹介で生徒をナンパする講師がいるんだ」
「いるじゃんここに♡」
即答。その瞬間、
「はぁ?!」
矢颪が思わず声を上げる。
「こんな奴が講師?!」
「そーそー」
春は親指を立てる。
「非常勤講師なのよ。いぇーい」
「いぇーい、じゃねぇよ!」
「……えーっと」
遊摺部が困惑したように眼鏡を押し上げる。
「こんな方が……非常勤講師、ですか?」
春はそんな生徒たちを見渡し、心底不思議そうに首を傾げる。
「そりゃもちろん非常勤に決まってんじゃーん。何言ってんの?」
「いや、そういう意味じゃねぇだろ!」
矢颪が叫ぶ。
その反応を楽しむように、春はケラケラ笑った。
「……はぁ、突然来るなと何度言えば分かるんだ。春」
無陀野が眉間を押さえる。
「いやー、無陀野のことだからさぁ」
春は悪びれもせず肩を竦めた。
「生徒に厳しくしすぎてんじゃねーかなーってね。校長が心配してたよ?」
「問題ない」
「えー」
「早く帰れ」
「そんな冷たいこと言わないでよ、無人くーん♡」
「……無人と呼ぶな。気持ちが悪い」
教室が静まり返った。
「…………」
「…………」
「…………」
四季たちは顔を見合わせる。
無陀野が。
あの無陀野が。
生徒の前で明確に「気持ちが悪い」と言った。
天変地異の前触れかもしれない。
いや。
相手がこの男なら、何となく理解できる。
「まあまあ」
春は気にした様子もなく笑う。
「これからここで働くからよろしく頼むよ、無陀野~」
「…………」
「てか、家泊めてちょうだい♡」
「……校長に直談判をしたい」
「ひっでぇー!!」
春はケラケラと笑いながら、教室の出口へ向かう。
「ま、あんま無理すんなよ?クソ真面目。」
ヒラヒラと手を振る。
その言葉だけは、不思議と軽くなかった。
春が教室を出ていく。
嵐のような男だった。
最悪な第一印象だった。
けれど――最後の一言だけは、妙に教師らしかった。
「……悪い人じゃないのかも」
四季がぽつりと呟く。
その瞬間。
ガラッ。
扉が開いた。
「あ!」
春が顔を出す。
「言い忘れてた!」
無陀野が嫌そうな顔をする。
「無陀野!」
「…………」
「金貸し――」
「消えろ」
バタンッ!!
扉が閉まった。
「…………」
「…………」
「…………」
教室に沈黙が落ちる。
四季は思った。
――やっぱり、悪い人かもしれない。