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数日が立ち、またいつもの出勤日。オフィスに着くなり、花鈴は異様に仕事場が騒がしいことに気づく。
「瀬夏、何があったの?」
「あ、花鈴やっと来た!またあの実愛がコーヒーこぼしてさ。もう大変だよ。部長もガチギレ!」
「噓でしょ!?」
花鈴は慌てて凌真の所に行く。凌真の服はコーヒーで汚れていた。
「部長、おしぼりで拭いてあげます……!」
花鈴は部長の服の汚れを丁寧におしぼりで拭き取る。数分後、汚れはきれいに取れた。
「ありがとう」
「どういたしまして」
その時、花鈴の近くで実愛の舌打ちが聞こえた……ような気がした。
「後はもう大丈夫だから、西辺は早く自分の仕事をしておいで」
「は、はい……」
花鈴は自席に戻って作業を進める。しかし、ずっと気になっていた。自分が部長の服の汚れを拭き取っていた時、瀬夏はどう思っていたのだろうか。部長に恋をしている瀬夏は嫉妬なんてしていないと信じたい。
幸い、その心配は要らなかった。