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モンダイジ団 執着編

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モンダイジ団 執着編

17 - 第16話 サイド マオ

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2022年09月09日

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サイド マオ


ユメへ電話したのは、実のユメの兄だった。名前だけなら、俺も知っている。同い年の、天才だ。

『生徒会長がお前の名前を出していたから、一応連絡した。……すまない。俺は父に逆らえない』

ルネが……?アイツ、なんで……。

いや、分からないふりするな。本当は気づいているくせに。

アイツは、一人で抱え込むタイプだって知っていたのに、何で俺はアイツを放って置いたんだ!

「……クソッ!」

ダンッ、と思い切り殴ると大きな音がして、机上にあったいろいろなものが揺れる。

その音に反応して、怯えたようにトキが少しだけ肩を震わせた。そうだ。トキは虐待されていたから、暴力にも細心の注意を払っているのに。

「……ッ、すまん。ちょっと頭冷やしてくる」

「あ、ぼ、僕のことは気にしないで下さい。今はルネさんのことを考えましょう」

ああ。今俺は、何しても上手く行かない。

グルグルとルネの言った言葉が回って、ずっと頭から離れてくれない。

『こんな意味のないこと、いつまで続けるの?』

『俺らに出来ることなんて、限られてる。このままじゃこれから先、絶対行き詰まる』

『社会が俺らを許さない。だから、俺たちは“モンダイジ”なんだって、マオも分かってるでしょ?』

……ああ、クソッ!自分に腹が立ってしょうがない!

「……っ、みなさん!」

ユメが立ち上がって、勢いよく頭を下げた。

「この度は、あたくしの身内が自己利益のために迷惑ばかりかけて、本当に申し訳ありませんでしたわ!」

「いや、ユメは悪くねぇよ!」

「そうね。でも……ユメには悪いけど、娘を捨てて、都合が悪くなったら連れ戻そうとして、挙げ句の果てに他人から臓器を奪うって、ソイツ本当に人間なの?」

アミ、言い過ぎだ。とは言えなかった。実際、そう思ってしまったんだ。俺も、きっとみんなも。

「……ルネを攫うぞ!」

キノがそう言って帽子を手に持った。その帽子は、ルネが置いていった橙色の帽子だった。

「俺は、ルネに伝えなきゃいけないことがあるんだ!」

……もう、ダイチの代わりなんかじゃない。正真正銘、モンダイジ団の団長なんだな、キノは。

「悪い、みんな!俺のために、ルネのために、力を貸してくれ!!」

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