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いつも通りの朝に、いつも嫌気が指す雑踏の中、今日も学校に行っています。
私の名前は詩島 果爲《しじま かなり》。都内の高校2年生で、学校まではバス、電車を乗り継いで行っています。クラスでは中間の存在で、友達とありふれた学校生活を送っています。
そんな私には、誰にも知られていない秘密があります。よく漫画とかである、特殊能力ってやつですよ。普通は風を操るとか、肉体強化するとか、そういうものだと思いますが、私のはその…そういうのとは少し違います。
私の能力は、空間中の7割を占めると考えられているダークマターを操る能力なのです。いきなり言われても何が出来るのかよく分からないですよね。最初に能力が発現した7歳の時、体の周りを黒い霧みたいのが囲んでいたので、煤とか煙を操る能力かな、と思っていたんですが…。
10歳になって自由に扱えるようになってきた時、試しに缶を置いて潰してみようと思いました。 一気に上からバーッと当てれば潰れるだろうと思ってやってみたんです。そしたら缶が潰れるどころか、あろう事か地面に吸い込まれるように透過してしまったんです。気になった私は図書館やインターネットで検索をかけて、この不可解を暴こうと奮闘しました。 ある文献に、
宇宙空間には、学説的に約7割を占める”何か” が存在していなければ物理的な矛盾が発生してしまう。これをダークマターという。
と書かれており、私は直感的にこれが本当の私の能力なのだと確信しました。文献には、ダークマターは分子やそれを構成する原子とは違う粒子であること、とても高速で動いており、身近に存在していても本来気づかないことなどが記されており、きっとこのせいなんだろうと当時の私は考えました。今となっては、ダークマターの粒子が原子核や電子の影響を受けずに隙間を通っているという結論に達しています。
今に戻りますが、私はこの能力を駆使してバレずに細やかな人助けをしています。実際使いどころがないですし、もしバレたら人体実験とか…怖くてしょうがないです。
こうして私はこの能力がある点以外では、変わらない日々を送っています。
「いやぁ〜今日も疲れたわ…。かな、一緒に帰ろー」
そう声をかけたのは果爲の友達の香衡 弥恋だった。
小学校から一緒であり、言わば幼馴染みたいなものである。
果爲「かなっていい方、かなりの私で使えるわけ?w 」
弥恋「わかるっしょ、小学校からいってんだからw とりま帰るよ〜」
果爲「はいはいw」
2人は話しながら細い通学路に影を落とす。
話しているうちに駅に着き、帰ろうとしていたその時、鈍い音が辺りに響き渡った。
弥恋「なに?なんの音!?」
そういう弥恋を横目に果爲は音源を探る。
果爲(今の音…まるで銃声みたいだった)
果爲は銃声だと認識し、さらに熟考した。
果爲(もし小規模なテロとかだったらどうしよう…でも銃なんて…入手するには輸入…並大抵の努力じゃ手に入らない。だったら!…)
果爲はすぐさま交番のある方を見ると、案の定巡回中で1人しか駐在していない隙を見て、男が立てこもっていた。
果爲(この状況じゃ弥恋や周りの人が危ない…この際しょうがないか)
果爲の左手は今にもそれを行使しようとしていた。