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あてんしょん
・rzso
・学パロ
・rz視点
・幼なじみ設定
・切ない系(そうなってたら嬉しい)
次の日から、心音は途端に学校を休むようになった。
どうやら体調不良が続いているらしい。何度かお見舞いに行ってみたものの、玄関先で心音の母親に「今日も具合が悪くて……ごめんなさいね」と、申し訳なさそうに断られてしまう。
あの夕暮れの帰り道、彼が口にした言葉の真相。
それを確かめるためにも一刻も早く会いたいのだが……いや、理由なんてなくても会いたい。仕方ないだろ、好きなんだから。
li「おい! ロゼ!お前さっきから話聞いとるんか?!」
rz「……あ、ごめん。何も聞いてなかった。何?」
lp「開き直んなや……。お前、心音がおらんくなってから抜け殻みたいやで」
ml「どーせ、心音のことでしょ?」
rz「それは……」
li「図星やん。さっさと告ってこいよ。焦れったいわ、お前ら」
心音がいない時は、いつもこんな風に4人に弄り倒される。
好きバレしているというのは、これほどまでに面倒なものか。普通にウザいので、切実に黙ってほしい。
mk「……でも、ここまで休みが続くのは珍しいよな」
みかさが、ぽつんと空席になった心音の机を見つめながら呟いた。
その言葉に、茶化していた空気が一瞬だけ凍りつく。みかさ以外の面々の瞳にも、隠しきれない不安が過る。
li「……ま、俺らがここで不安がっとっても仕方ないって。心音が復活した時に、驚くような文化祭にしてやろ」
そう。俺たちが昼休みでもないのにこうして騒いでいられるのは、今週末に控えた文化祭のおかげだ。
うちの高校は文化祭に異様なほど力を入れていて、開催週は準備期間として授業が一切なくなる。
俺たちのクラスの出し物はまさかのメイド喫茶。
高校最後の思い出にふざけ倒そうというコンセプトらしく、一部の男子もメイド服を着る羽目になっていた。
その犠牲者の一人が、みかさだ。
最初は死ぬほど嫌がっていたくせに、いざ試着してみると、女子たちから「嘘、可愛すぎない?」と絶賛の嵐。今では「仕事だし」と割り切った顔で、フリルのついたカチューシャを直している。お前、それでいいのかみかさ……。
ml「だね。心音のことだから、文化祭には意地でも来るでしょ」
lp「あ、それなら当日来た心音に、いきなりメイド服着せるのはどうや?」
mk「うっわ、らぴす悪っ……w」
li「ええやんそれ!めっちゃおもろそう!」
rz「お前らなぁ……病人に何させる気だよ」
ml「ロゼだって、満更でもないくせに。見たくないの?心音のメイド姿。」
rz「………客は、絶対につけないからな」
li「独占欲強い男は嫌われんぞw」
らいとのツッコミに、教室に笑い声が弾ける。
ここに心音がいたら、もっと楽しいのに
またぼーっとしていると、らいとに背中をバシッと叩かれ、作業に戻れと怒られた。
…さっきまで一番サボってた癖に 。
文化祭はすぐ目の前まで迫っていた。
文化祭当日。
秋晴れの空の下、心音は嘘みたいに元気そうな顔で登校してきた。
so「復活〜!」
lp「!……心音!」
li「お前、タイミング良すぎやろ!よく来たな〜!」
so「流石に最後だしさ、最後の文化祭は来たいでしょw」
ml「……体調、本当にいいの?」
メルトがどこか探るような目で問いかける。
so「…うん。今日は、すっごく調子いいよ!」
li 「メルが素直に心配するとか、この後嵐になるんちゃう?w」
ml「はぁ? ……うっざ」
mk「ほら、心音! 俺ら着替えあるんやから行くで! さっさとして!」
so「え?! 着替えって……ちょ、何、そのフリフリした布?!」
lp「メイド服やけど……あれ?ロゼから聞いてへんかった?」
so「何も聞いてませんけど?!ちょ、ロゼ?!説明!!!」
rz「心音…悪りぃ。……似合うと思うぞ」
so「はぁ?!お前、一回こっち来い!絶交だ、一発殴らせろ!!」
mk「病み上がりなんやから暴れんといて?!」
いつも通り……いや、それ以上に騒がしいあいつら。
その輪の真ん中で、頬を少しだけ上気させて笑う心音を見て、俺は心の底から安堵の息を漏らした。
rz「……よかった」
独り言のような、誰にも届かないほど小さな声。
けれど心音は、雑音を突き抜けて俺の視線に気づいたように振り返り、悪戯っぽく親指をグッと立ててみせた。
あまりにも眩しい、笑顔。
その瞬間、俺はまた、心音に恋に落ちていく感覚があった。
ずっと、この時間が続けばいい。
これからも心音のことを横で支えていく。卒業しても、大人になっても、当たり前に隣にいるんだと。
信じて疑わなかった。
まだ、この時の俺は。
彼の頬の赤みが、健康からくるものではなく、身体が上げている最後の悲鳴だなんて。
その残酷な事実に、気づく術もなかったんだ。
コメント
3件
うわあ……最後の一文、めちゃくちゃ効きました。文化祭で元気そうに笑う心音を見て「よかった」って安堵するロゼの視点で進んでいたからこそ、あの締めが刺さる。伏線として「体調不良が続く」「探るようなメルトの目」はあったけど、まさか「上がっている最後の悲鳴」だったとは……。ロゼが恋に落ちる感覚を眩しさそのまま書いた箇所が、後から涙を誘います。夕姫さんの“読者に気づかせる”配置、本当に巧いなあ。