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5.失恋
〜2ヶ月後〜
「おはよっ、彰」
「おはよう」
学校生活は思っていたよりも安定している。
今のところ不安に思うことはない。
自分、それから桜志にも。
「あのさ、話あるんだけど いいか?」
「うん、大丈夫だけど、、どうしたの?」
あぁ、なんか嫌な感じがする。
僕の嫌な予感は結構当たるんだ。
桜志の今から言おうとしていることは、たぶん、、、
「俺、彼女できた」
わかってた。
わかってた、、、はずなんだ。
でも、やっぱり……
「そうなんだ。おめでとう」
僕はちゃんと笑えているだろうか、
いつもと同じように言えているだろうか、、
「…ありがとな、また紹介する」
「うん、待ってるね」
桜志は僕の頭に手を乗せようとしていたが、僕はその手を拒絶してしまった。
その時桜志がどんな顔をしていたのかはよくわからなかったが、
その日の朝、桜志とはそれ以上の会話はなかった。
〜登校後〜
世界から色が消えてしまったみたい。。。
田中先生の元気な声も、今日はなにを言っているのかよくわからなかった。
「今日元気ねぇじゃん!なんかあった?」
同じクラスの小山潤。
何かと話しかけてくる、クラスの人気者の一人だ。
「なんでもない」
「なんでもないことないだろう?話してみろよ〜」
「じゃあ、話しかけてこないでくれる?
君と話すことなんてなにもないよ」
「・・・、なんかごめん。」
あからさまにしょんぼりする小山。
八つ当たりをしてしまった。。。
「、、謝らないでよ。こっちこそ、、その、ごめん。」
「そっか、、よかった」
安心したような顔。
「おーい!小山、こっちこいよ〜」
「じゃあ、これ食べて!仲直りの印に!」
僕のポケットに無理やりチロルチョコを詰めてから、友人の元へ向かった。
ほんとに変なやつ…
帰ってから、僕は詰められたチョコのひとつを食べた。
「あまい……」