…あの日から数日経った
今僕は住んでいるマンションの屋上にいる
勿論君に貰ったネックレスを付けて
コンクリートの地面にぽつりと1粒涙が落ちた
『っ、分かってる…
莉犬くんがこんなこと望んでないって』
『でも…莉犬くんが居ないのはやっぱ僕
耐えられないよ…』
『今、行くからね』
屋上の柵を越えて下の景色を見る
いざとなると怖いけど…君にあの世で
もう一度会えるかもしれないのなら
そう考えると気持ちが楽になった
『莉犬くん…大好きだよ』
ここに居ない君にそう言って僕は…
屋上から飛び降りた。
___
『…ここ、どこだ?』
一瞬あの世と勘違いしたが
窓の外を見ると普通の街の景色
すると部屋の扉が開く音がした
?「あ、起きてる!大丈夫?
君俺の家の前で倒れてたんだよ?」
振り返って声の主の顔を見ると
『…は?』
それは愛おしい君だった
『莉…犬くん?』
莉「何で俺の名前…どこかで会ったっけ?」
『あ、いや…何でもないよ!』
『ちなみにここって…?』
莉「さっきも同じようなこと言ったけど
俺の家だよ。」
『…日本の東京であってるよね』
莉「うん…あってるけど、どうしたの?
何かはっきり覚えてないとか…?」
『まぁそんな感じ…
そろそろ迷惑かけちゃうし出ていくね』
莉「…自分の家は覚えてるの?」
『あっ…まぁ何とかやっていけるでしょ…w』
莉「それなら俺の家暫く泊まっていきなよ!
俺一人暮らしだから泊まるなら大歓迎だよ?」
『え、流石にそれは…』
流石に好きな子の所に泊まるのは
僕の心臓が耐えきれない
莉「それに見たところ何も持ってないでしょ
泊まるお金が無いならここに泊まった方が
安全じゃない?」
『…ありがたく泊まらせていただきます』
本当に財布も何も無かった
…ん?何も?
『…あれ、ネックレスが』
ない…でもそりゃそうだ
1度死んだのなら持ってるわけがない
莉「…あ、もしかしてこれ?首しまっちゃうと
大変だから少し預かっといたの」
『よかったぁ…』
莉「はい」
君の誰にでも優しい所は変わってない
『ん、ありがと…』
莉「んじゃそろそろ行こっか」
『え?行くってどこに?』
莉「君の必要なもの揃えなくちゃ
洋服1枚じゃ着替えもできないし
…俺のじゃちっちゃいから貸せないんだよね」
『ここまでしてもらったしいいよ…』
莉「ううん、俺がしたいの!
…そういえば君の名前は?」
『…あ、w』
そういえば言ってなかった
正直好きな子にここまでしてもらうのは
気が引けるけどしょうがないよな
『ころんだよ、適当に呼んで』
莉「ころちゃんね!おっけー」
嗚呼…懐かしいな
ころちゃんころちゃんって呼んでくるのは
ずっと愛おしい君だけだった
莉「じゃあ改めてよろしく!ほら、行こ!」
『よろしく…てかもうこんな時間なんだ』
時計の針は既に7時を指していた
そして僕は今までの会話でこう考えた
これは…
僕の二度目の人生なのかもしれないと
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